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なぜか論じられない
金融危機回避のウルトラC

2008年10月15日
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 これで金融危機は終息に向かうのだろうか。先週末のG7において、主要先進国が問題意識を共有し、具体的な「行動計画」で合意したことは大きな一歩を踏み出したと言える。週明けの株価も世界中で大きな回復を見せた。だが、まだまだこれから越えるべきハードルは多い。

 G7が発表した「行動計画」の柱は5つある。①重要な金融機関の破たん防止のためのあらゆる手段の活用、②信用市場、金融市場の機能回復と金融機関に対する流動性の確保、③金融機関に対する公的資金による資本増強、④預金保険制度の信頼性の強化、⑤証券化商品市場の再活性化と正確な会計原則の適用、である。

 市場関係者の評価を集約すれば「現在必要な手段のすべてに言及している点は評価できるが、それをどう実行していくかが問題」ということになるだろう。すでに、ドイツ、イギリス、フランスなど欧州主要国は、次々と公的資金による預金者保護や金融機関への資本注入を表明。14日にはついに、米国政府も公的資金による銀行への資本注入計画を発表した。

 問題は金融危機の震源地である米国が5つの合意に基づいて打ち出す対策が、実際に機能するかどうかである。加えて、市場は金融危機が実体経済に及ぼす悪影響を、小さくする対策が出るかどうかも注目するだろう。

 ここでは、今一度、米国の金融危機対策の実効性に絞って考えてみたい。その際のキーワードは「モラルハザード」である。モラルハザードとは、例えば政府が預金を全額保護すると分かっていると、銀行の経営者は危ない企業にもどんどん貸出を行ってしまうというような状況を指す。これを防ぐためには、経営に失敗した金融機関は倒産し、経営者は職を失うという市場の規律が働くことが必要になる。 

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