「禁断のウルトラC」、金利交渉とは

「金利交渉」は、「今借りているローンの金利をもう少し割り引きしてくれませんか?」と銀行に交渉する方法。これは、以前なら考えられなかったローンの見直し術です。

 たとえば3年固定型で借りた方の場合、借り入れ当初3年間は大幅な金利割り引きがあり、4年目以降は割引幅が縮小するという契約になっているケースが少なくありません。割引幅が小さくなれば、金利はぐっと高くなります。しかし、これは契約で定められた約束事。銀行に対して「借りたときに交わした約束を変えてほしい」と頼むわけですから、銀行にしても、金利交渉に応じるのは「禁断のウルトラC」と言えます。

 近年、金利交渉が成立するケースが出てきたのは、「銀行間の競争」が原因です。競争によって新規ローンの割引幅が拡大し、適用金利が下がってくれば、ローンを持っている人は他行への借り換えを検討します。銀行からすれば、住宅ローンを借りる個人顧客は、おおむね真面目に返済してくれる“優良な貸し出し先”。他行に客を取られるのは、できるだけ避けたいというのが本音なのです。

 銀行にとってみると、新規ローンの獲得と同様に、「借り換えローンの獲得」と「借り換えされる案件の防止」は必達事項。そこで、「内緒ですけれど、割引幅を大きくしますから、借り換えせずに当行を引き続きご利用ください」と、銀行の方から割引提案をするケースも徐々に出てきました。住宅ローンは競争が激しいので、今は借り手に優位な状況と言えます。

金利交渉は、借り換えのように諸費用もかかりませんし、手続きもラクです。逆にデメリットは借り換えで得られる金利までは下がらないことと、返済方法の見直しなどもできないこと。でも検討の余地はあるでしょう。

 ただし、銀行が必ず金利交渉に応じてくれるとは限りませんし、割引幅もケース・バイ・ケースです。また、金利交渉を試みるときには「最近、金利が下がっているので借り換えを検討していますが、今借りているローンの金利はもう少し低くなるものでしょうか?」などと尋ねてみることが大切。

 また金利交渉に応じてもらえる可能性があるのは「これからもきちんと返済してくれる優良顧客」ですから、「生活が苦しく返済が困難なので返済額を下げたい」などとネガティブなアプローチをするのはNGだということを知っておきましょう。


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