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“不健康”なアメリカ人の食生活を変えられるか
ベビーフード企業「プラム・オーガニックス」の挑戦

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第226回】 2012年12月27日
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 アメリカの食環境は、意識的に気を配っていないとかなり不健康なものを口にするハメに陥ってしまう。

 心臓疾患などを引き起こすとされるトランス脂肪酸については、各地で規制が作られているが、依然として脂肪や塩分の高い食品、着色料が多用された食品、糖分過剰な食品が身の回りを囲んでいる。

 こんな環境で健康的な食生活を送るのは大変だが、子どもにとってはもっと危険度が高い。クッキーやチョコレートなどの甘いおやつ、ポテトチップなどの脂肪と塩分の高いスナック、いつも飲まないと気がすまなくなるソフトドリンクは、子どもの生活に常についてまわる。これに慣れて育つと、大人になってから矯正しようとしてもなかなかうまくいかないものだ。

 そうした中で、意識的な親が声を上げ始めた。それを受けて、学校では、カフェテリアでの食事を改良したり、スナックを買えなくしたりしているところもある。そして、そうした親にアピールするのが、子どもを対象としたオーガニック食品やスナック、飲料である。最近注目を集めているのは、革新的なベビーフードを開発、製造するプラム・オーガニックスだ。

食べるのはハンバーガー、ピザだけ?
そんな大人にしないための食品作り

 プラム・オーガニックスの食品は、乳児用、幼児用、子ども用に分かれている。いずれもオーガニックな材料を用いて、食材に施すプロセスは最低限に抑え、化学調味料は一切使わない。パッケージも健康に有害とされるビスフェノールA(BPA)を使用しないなど、徹底した食品作りをアピールしている。もちろん、製造の過程ではサステイナビリティーを意識して、エネルギー消費を極力低くしている。

 同社の製品数は数百に上る。ジュース、離乳食、ヨーグルト、乾燥パンのサンドイッチ、オートミールのスナックなど、子どもの年齢に合わせたバラエティーが揃っている。材料には種々の全粒子の麦、栄養価の高いキヌアなどの穀物を用い、ただ柔らかいだけ、ただおいしいだけといったこれまでの子ども用食品と比べて、噛みごたえや臭いなどにも留意しているのが特徴だ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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