株式レポート
12月25日 18時0分
マネックス証券

円高修正は続く〜「経済再生を阻んでいるのは日銀」という確信〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

円高修正が続いている、昨日(12月24日)の海外市場は薄商いの中で動意が乏しかったが、為替市場でドル円は一時85円台目前、2011年4月以来の水準まで円安が進んだ。昨日日経新聞が、「物価目標 来月見送りなら 日銀法を改正」と報じたことが、円安の材料になった。


もっとも、この報道のもとになったフジテレビの番組における安倍総裁の発言については、特に目新しいことには言及していなかった。安倍総裁は、既に、「物価目標2%」を日銀に要請、そして、従来から「(米FRB同様、日銀にも)雇用についても責任を持ってもらう」と明言している。

つまり、金融緩和の強化で脱デフレを図ることを最重要視する、これまでの考えが改めて表明されただけに過ぎない。もともと80円台前半は日本経済にとって円高過ぎる水準であったため、「金融緩和強化・早期脱デフレ」への期待を強める発言で、円高修正が続いているということである。

なお、12月17日レポートでは以下のように述べた。「過度な円高をもたらしていたのは、金融緩和不足という政策の不作為」「経済政策が大きく転換するという期待が続くなら、今の動きは簡単には止まらない」。つまり、安倍総裁の考えどおりの政策が実現するだけで、円高修正が起きるのである。

ところで、安倍総裁が、現在の民主党執行部、谷垣前自民党総裁などと異なり、経済政策について金融緩和が最も重要であるとの考えを持っているのはなぜか?興味深い記事が、12月24日の日経新聞に掲載されている。以下は、その抜粋である。

「2011年5月、安倍氏は、自民党の山本幸三衆院議員に請われ、超党派の議員連盟「増税によらない復興財源を求める会」の会長に就いた。山本氏は反日銀の急先鋒で「政府と日銀が政策協定を結び、復興国債を日銀が全額買い切るオペをすべきだ」と主張。当初は「山本氏の意見は暴論だ」と半信半疑だった安倍氏。だが積極緩和派の講師を招いた議連の勉強会を重ねるにつれ、経済再生を阻んでいるのは日銀だとの確信を深めていく」。

この記事は、日経新聞の記者の取材によるもので、裏はとれていない。ただ、安倍総裁が、日銀に金融緩和強化を強く求めている発言から判断すると、実際にこのように考えている可能性は高い。日本経済が、デフレという「異常な状況」から抜け出すシナリオを前提に、投資戦略を考えるべきだろう。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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