株式レポート
12月25日 18時0分
バックナンバー 著者・コラム紹介
マネックス証券

You Can't Hurry Love 恋はあせらず - 割安小型株の投資アイデア - 広木隆「ストラテジーレポート」

世界の終りは避けられたようだ。古代マヤ暦の「人類滅亡の日」。一部では社会的混乱もあったと聞くが、「人類滅亡まであと○時間」とあちこちでカウントダウンが行われるなど、結局お祭り騒ぎに終わった感がある。

筆者も、「ねえ、あと1時間で、世界が滅亡するとしたら、何をする?」と聞かれたので、こう答えた。
「それはもちろん、ベッドに行って君と愛を確かめ合うに決まってるじゃないか。」
「残りの59分は?」

閑話休題。

高校の友人で、読売の論説委員をしている男がいる。
「お前のところの『編集手帳』、あれ書いている人、文章、めっちゃ上手いよな。」
「ああ、○○さんね。あの人は別格だよ。俺もたまに代役が回ってきて、『編集手帳』書くことがあるけど、その時は、読者から『今日のは下手』と苦情が来ないか、ヒヤヒヤしながら書いているんだよ。」
高校時代から名文家で鳴らした彼にそこまで言わしめる読売新聞の『編集手帳』とは、例えばこんな調子である。

<万葉集には、「恋」という言葉に、「古非」や「古比」に交じって「孤悲」とあてた歌もある。なるほどいつの世も、ひとり悲しむものである。>

小型 + 割安 + モメンタム
いくらファンダメンタルズが良くても、それが市場で評価されなければ万年割安株のまま。そうした「割安」だけれども、市場の評価が得られないばかりに株価が上がらない状態を「バリュートラップ(割安の罠)」に陥っていると表現する。

「バリュートラップ」に陥るのを避けるために、株価に上昇モメンタム(勢い)がついてきた銘柄を狙う戦略を紹介した。(11月28日付「勝てる!銘柄の選び方」、12月3日付「日本の小型、割安&モメンタム」)

株価にモメンタムが出ているということは、その割安さが見直されつつあるという証である。ファンダメンタルズは良好なのに株価が割安に放置されている、そんな真に割安な株があるとしたら、それは大型株より小型株のなかに存在する可能性が高い。なぜなら小型株は、アナリストのカバレッジが十分行きわたらない、流動性の観点から機関投資家の投資対象になりにくい、知名度が低く見過ごされやすいといった特徴があるからだ。だから、儲かる銘柄を選ぶコツは、「小型(低時価総額)+ 割安(低PBR)+ モメンタム(株価上昇率)」だと述べたのだ。理論的なバックグラウンドとして、Fame-French 3 ファクター・モデルの発展型であるCarhart 4 ファクター・モデルも紹介した。

その基準で選んだ数銘柄をレポートで紹介したら、読者からクレームがきた。
「なんだ、みんな、もう値上がりしている銘柄ばかりじゃないか」というのだ。

それはそうである。「もう株価が値上がりしている」と言われても、「バリュートラップ」に陥るのを避けるために株価が動意づいてきたものを選んでいるのだから、すでに上がっているのは当たり前である。「株価が値上がりする前に、これから上がる株を教えろ」と言われても、預言者じゃあるまいし、そんなことが分かるなら、ストラテジストなんて商売、やってない。「古代マヤ暦」の研究を極めても無理だと思う。
The only function of economic forecasting is to make astrology look respectable.
(経済予測の唯一の役割は、占星術が素晴らしいものだと思わせる事である。)
- ジョン・ケネス・ガルブレイス

割安株の仕込み時
No Free Lunch - 投資に「タダ飯」はない。リターンを狙うには何らかのリスクを負担しなければならない。モメンタム株に飛び乗って、高値づかみとなるリスクか。あるいは、割安株を仕込んだはいいが、いつまでも株価が上がらない万年割安、バリュートラップに陥るリスクか。

割安株投資で、モメンタムがまだ出ていない銘柄を仕込み、その割安修正をじっと待つというやり方は、むしろ投資の王道であった。ところが、日本株の投資家が離散し流動性が低下した結果、魅力のある割安株の水準訂正が起こりにくくなってしまった。逆張りを旨とする「バーゲンハンター」が減り、短期的なモメンタムに乗る「トレンドフォロワー」が増えたこともその背景である。

しかし、最近、また従来型の割安株投資の効果が出始めている。現在のように相場全体の水準訂正が起こり、循環的に出遅れ銘柄が次々と物色されていくような投資環境は、まだ買われていない割安株を仕込むには好機と言える。

前回も述べたが、ただ単にPBRなどのバリュエーション指標が低いから、というだけでは割安株とは言えない。ファンダメンタルズが良いのに株価が安値に放置されている銘柄こそが真の割安株だ。その観点から表1の銘柄をピックアップした。いずれもPBRは1倍割れと株価が低位にあり、かつPERも10倍未満の低さ。その結果として自己資本利益率(ROE)はすべて2桁台である。さらに来期の経常利益が増益見通しであることも条件に加えた。PBRは前期実績、PERは日経今期予想、自己資本利益率(ROE)と来期の経常利益見通しはアナリスト予想の平均であるクイック・コンセンサスのデータを使用した。



資産面の尺度でも(低PBR)、利益面の尺度でも(低PER)、どちらで測っても株価は割安で、かつ自己資本利益率(ROE)が高く、来期の経常利益が増益となる小型株。そんな銘柄が安値に放置されているほうが不思議である。従って、残念ながら、ここで挙げた銘柄のうち幾つかは既に右肩上がりのトレンドが形成されていたり、足元急速に動意づいてきた銘柄もあるので、その点はご容赦願いたい。但し、強調したい点は、それでもまだ「PBRは1倍未満、PERは10倍未満」と株価が割安圏にあることである。

割安株投資 - それは恋に似ている。相手に振り向いてもらえるまで、じっと耐え忍ぶ。胸に秘めた想いがいつか届くと信じて待つ。『編集手帳』は「なるほどいつの世も、ひとり悲しむものである」と言うが、しかし、悲しむばかりではない。忍ぶ恋は辛くもあるが、また喜びでもある。

あせりは禁物。いかに時間とうまくつきあうかが成功の鍵となる。

マーク・トウェインはこう言っている。

Love seems the swiftest, but it is the slowest of growths.
(愛は最も素早く育つと思われがちだが、実際のところ、最もゆっくり育つものである。)

今日は12月25日。世界が滅亡せず、クリスマスを迎えられたことを神様に感謝しよう。そして、祈ろう。あなたの (ついでに僕の) 恋の夢が、いつか叶いますように。メリー・クリスマス。


(チーフ・ストラテジスト 広木 隆)

■ご留意いただきたい事項
マネックス証券(以下当社)は、本レポートの内容につきその正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。当社が有価証券の価格の上昇又は下落について断定的判断を提供することはありません。
本レポートに掲載される内容は、コメント執筆時における筆者の見解・予測であり、当社の意見や予測をあらわすものではありません。また、提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。
当画面でご案内している内容は、当社でお取扱している商品・サービス等に関連する場合がありますが、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。
当社は本レポートの内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本レポートの内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。当社でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動・金利の変動・為替の変動等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
なお、各商品毎の手数料等およびリスクなどの重要事項については、マネックス証券のウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」(※)をよくお読みいただき、銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身のご判断で行ってください。
((※)https://info.monex.co.jp/policy/risk/index.html)

■利益相反に関する開示事項
当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、並びに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。

(マネックス証券)


マネックス証券
株式売買手数料(指値) 口座開設
10万円 30万円 50万円
100円 250円 450円
【マネックス証券のメリット】
日本株投資に役立つ「決算&業績予想」、信用取引ではリスク管理に役立つ信用取引自動決済発注サービス「みまもるくん」が便利。米国株は最低手数料5ドル(税抜)からお手軽に投資が可能で、米国ETFを通じて世界中に分散投資できる。投資先の調査、リスク管理、リスク分散など、じっくり腰をすえた大人の投資ができる証券会社と言えるだろう。一方、短期・中期のトレードに役立つツールもそろっている。逆指値ほか多彩な注文方法が利用できる上に、板発注が可能な高機能無料ツール「新マネックストレーダー」が進化中だ。日本株、米国株、先物取引についてロボットの投資判断を日々配信する「マネックスシグナル」も提供しており、スイングトレードに役立つ。
【関連記事】
◆AKB48の4人が株式投資とNISAにチャレンジ!「株」&「投資信託」で資産倍増を目指せ!~第1回 証券会社を選ぼう~
◆マネックス証券おすすめのポイントはココだ!~日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手
マネックス証券の口座開設はこちら!

 

株主優待名人の桐谷さんお墨付きのネット証券!最新情報はコチラ!
ネット証券口座人気ランキングはコチラ!
NISA口座を徹底比較!はコチラ
株主優待おすすめ情報はコチラ!
優待名人・桐谷さんの株主優待情報はコチラ!

 

Special topics pr

ZAiオンラインPickUP
[クレジットカード・オブ・ザ・イヤー2017]2人の専門家が最優秀クレジットカードを決定! 2017年版、クレジットカードのおすすめはコレ! おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き その 【株主優待】最新の株主優待情報更新中! アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、 本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは?
ランキング
1カ月
1週間
24時間
じぶん銀行住宅ローン 「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証  アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!


 

12月号10月21日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

Amazonで「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!


【株で資産倍増計画![2018年版]】
1億円に早く近づく厳選56銘柄を公開
億超え投資家資産倍増の極意
・今後1年の日経平均の高値&安値を大予測
プロが提言! 2018年に日本株を買うべき理由! 
・変化の追い風を先読み! 新デフレ&新興国株
・好業績&割安! 上方修正期待株&成長割安株
・第4次産業革命! 独自技術を持つ部品株
新iPhone上がる株 25
利回りが大幅アップ!「長期優遇あり」の優待株
・今買うべき新興国株投資信託ベスト25
ネット証券のサービスを徹底比較! 
・怖いのは死亡・入院だけじゃない!
「働けない」を 助ける保険! 
iDeCo個人型確定拠出年金老後貧乏脱出!

「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

Apple Pay対応のクレジットカードで選ぶ! Apple Payに登録して得する高還元率カードはコレ! 堀江貴文や橘玲など人気の著者のメルマガ配信開始! 新築マンションランキング