橘玲の日々刻々 2012年12月25日

[橘玲の日々刻々]
政治はいつもポピュリズム

 そもそもこの国ではどのように政策がつくられていくのでしょうか?

 2006年に成立した改正貸金業法の論点は多岐にわたりますが、その趣旨は明快で、「高利貸しが多重債務者問題を引き起こし、それが年間3万人を超える自殺者を生むのだから、上限金利を引き下げて高利の貸付けを違法にするとともに、利用者が収入に対して分不相応な借金をしないよう規制すればいい」というものでした。しかしこの耳障りのいい政策には、さまざまな問題があります。

 まず事実として、イギリスには金利の上限規制がありません。当事者同士が納得しているのであれば、公序良俗に反しないかぎりどのような契約も自由であるべきだと考えられているからです。イギリスで上限金利導入の議論が起きたときに、「資金を必要としているひとが借りられなくなる」と真っ先に反対したのは消費者団体でした。

 もちろんアメリカをはじめ先進国の多くは上限金利を定めていますから、イギリスの政策が絶対に正しいというわけではありません。この“社会実験”で明らかなのは、上限金利と自殺は関係ない(イギリスの自殺率は日本の4分の1)ということです。

 上限金利の引き下げ(グレーゾーン金利の廃止)よりも問題なのは「総量規制」です。「1社で50万円、または他社と合わせて100万円を超える貸付けを行なう場合には、年収の3分の1を超える貸付けを原則として禁止する」というものですが、すくなくとも先進国でこのような規制を行なっている国はひとつもありません。

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 <執筆・ 橘 玲(たちばな あきら)>

 作家。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編』『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 至高の銀行・証券編』(以上ダイヤモンド社)などがある。ザイ・オンラインとの共同サイト『橘玲の海外投資の歩き方』にて、お金、投資についての考え方を連載中。


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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