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日本人が知らないリアル中国ビジネス 江口征男

サントリー上海の董事長が明かす(下)
物流と地域戦略で勝ち抜く「修羅場の心得」

江口征男 [智摩莱商務諮詞(上海)有限公司(GML上海)総経理]
【第11回】 2010年1月26日
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常日頃から「お茶はタダが当たり前」という感覚が強い中国人を、「烏龍茶」「黒烏龍茶」の虜にしてしまったサントリー。前回は、サントリー上海(三得利(上海)食品貿易有限公司)の福山泰広・董事長・総経理に、その戦略を詳しく聞いた。では、今後同社が中国市場で目指す新たなビジネスモデルとは何か? 福山董事長が、激動の市場で勝ち抜くための「修羅場の心得」をあますところなく指南する。

前回に引き続き、日系企業が熾烈な中国市場で生き残るための心得を説くサントリー上海(三得利(上海)食品貿易有限公司)の福山泰広・董事長・総経理。「こだわりがある商品で徹底抗戦するしか道はない」という。

――前回は、中国で黒烏龍茶の売り上げを伸ばした戦略について、詳しくうかがいました。では、黒烏龍茶以外に力を入れて販売している新商品はありますか?

 日本では売っていないサントリー中国オリジナル新商品「利趣(リッチ)」という乳飲料にも力を入れています。日本ではよく売れている「缶コーヒー」にはあまり価値を見出さない中国人向けに、飲みごたえのあるペットボトルの商品となっています。

 カフェラテ味の「利趣拿鉄」、抹茶ラテ味の「利趣抹茶」、ココアミルク味の「利趣可可」、イチゴミルク味の「利趣草苺」に加えて、コーヒーにミルクティをブレンドした「利趣鴛鴦」を足した5種類のテイストで販売しています。

 「利趣」は、どちらかというと男性が主なターゲットですが、こちらも黒烏龍茶に負けず劣らず売れています。ネスレもペットボトル入りコーヒー製品を出してきているほどです。

――黒烏龍茶はどのようなチャネルで販売していますか?

 現在は、コンビニ、ハイパーストア、日系レストランが主な販売チャネルです。主戦場となる華東地域のコンビニ、ハイパーストアに対しては、卸売を挟まずに直接取引しています。

 また今年から、油を多く使う中華料理と相性のよい黒烏龍茶を、中国のローカルレストランに積極的に展開していこうと思っています。その際には、華東地域で長年実績のある弊社ビール事業の販売チャネルを、うまく活用していくつもりです。

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江口征男 [智摩莱商務諮詞(上海)有限公司(GML上海)総経理]

1970年、神奈川県横須賀市生まれ。横浜国立大学大学院工学研究科修了、Tuck School of Business at Dartmouth MBA。Booz & Company, Accentureなどの経営コンサルティング会社、子供服アパレル大手のナルミヤ・インターナショナルを経て、中国にて起業。上海外安伊企業管理諮詞有限公司(Y&E Consulting)、(株)MA PARTNERSの創業経営者でもある。
⇒GML上海ホームページ執筆者へのメール


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世界経済の牽引役として注目を浴びる中国に進出する日本企業は、後を絶たない。だが、両国の間に横たわる「ビジネスの壁」は想像以上に厚い。今や「世界一シビアな経済大国」となった中国で日本企業が成功するためのノウハウを、現地コンサルタントが徹底指南する。

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