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金利市場透視眼鏡

実は“高金利”ではない豪ドル債
為替値上がり益も狙って投資を

野地 慎 [SMBC日興証券為替ストラテジスト]
2013年1月8日
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 第46回衆院選が自民党の圧勝に終わり、安倍晋三・自民党総裁を首班とする新内閣が発足した。安倍首相がかねて日本銀行に対して無制限の金融緩和を求めていることなどもあり、衆院選以降、円安が加速し始めている。

 このまま一気に円安が進行するかどうかについては不透明感も残るが、市場参加者の間では「歴史的円高局面の終焉」が説かれ始め、外国証券投資の機運も高まってきている。このような状況下で、イタリアの総選挙実施などを背景にユーロは引き続き買いづらく、米国債の低い利回りを敬遠する向きも多い。人気通貨・オーストラリアドル(以下豪ドル)への注目は高まりそうだ。

 ところで、オーストラリアの10年国債利回りに注目すれば、現在、政策金利をやや上回る3.3%程度であり、つまり豪ドルが決して高金利通貨ではないことがわかる。それどころか、豪銀行手形先物(90日物)の金利水準を見ると、2013年以降の追加利下げの可能性を示唆している。今後、複数回の利下げもあり得そうだ。

 グラフには豪ドルの対人民元レートと上海鉄鋼先物価格を表した。これまで鉄鋼先物価格と連動性の高かった豪ドルの対人民元レートが、最近では鉄鋼先物価格が低迷しているにもかかわらず高水準で推移している。

 これは豪ドル建ての鉄鋼石などの輸出価格が大幅に下がっていることを示す。つまり、オーストラリアの交易条件が大きく悪化している。

 豪ドルが人民元をはじめとする主要通貨に対して、非常に割高に推移している背景には、欧州債務問題によるユーロ不安がある。

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