カルロス・ゴーンPhoto:Anadolu Agency/gettyimages

日本からレバノンに逃亡した元日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告(68)=金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)、会社法違反(特別背任)の罪で起訴=に対し、フランスの検察当局は21日、自動車大手ルノーの資金を不正に流用した疑惑を巡り国際逮捕状を発布した。ゴーン被告は日本の司法制度を「不公正」と批判する一方、フランスの司法制度は「信頼できる」と捜査を歓迎。訴追されても「自らの無罪を立証できる」と強弁していた。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

※ゴーン元会長は日本の司法的な立場は「被告」、フランス検察当局から見ると「容疑者」になりますが、本稿では被告と統一します※

「フランスに行くか」の質問に
明言を避けたゴーン被告

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル電子版によると、国際逮捕状が発布されたのはゴーン被告とオマーンの自動車販売代理店スハイル・バハワン自動車(SBA)の現オーナーと元取締役ら計5人。

 AFP通信によると、ルノーと日産の企業連合統括会社とSBAで交わされた計約1500万ユーロ(約21億円)の金銭授受を巡り、不正な流用や贈収賄、マネーロンダリングの疑いが持たれているという。