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先祖や自分のルーツが分かる?
アメリカで人気の「アンセストリー・ドットコム」

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第227回】 2013年1月10日
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 世界のさまざまな国の出身者から成る移民の国アメリカで、よく使われているサービスがある。「アンセストリー・ドットコム」というサイトだ。

 アンセストリーとは先祖のこと。アンセストリー・ドットコムは、自分の先祖をたぐって、自分の家族がどこから来た家系なのか、まだ知らない遠い親戚がいるのかどうかといったことを調べられるサイトである。しくみはこうだ。

 まず、自分の両親の名前と生年月日、生誕地を入力。詳しい情報がなければ、わかっている項目だけ、あるいは両親以外の親戚の情報を入れてもいい。入力を済ませると、今度はアンセストリー・ドットコムが背後で関係のある資料を探し出してくれる。

 資料は、アメリカの国勢調査に始まって、婚姻記録、入国記録、移民記録、教会や学校の登録名簿、納税記録、兵役記録など多様なものにわたっている。アンセストリー・ドットコムでは110億に上るそうした記録を保持しており、古いものでは、1575年にスコットランドやアイルランドからアメリカ大陸へ渡った船に乗っていた乗客名簿など、400年以上もさかのぼった資料もある。

 アンセストリー・ドットコムは、こうした膨大な資料をデジタル化して検索可能にしており、ある人物の基本情報を入力すればマッチする情報を複数探し出してきて、さらにそこから糸をたぐるように時代をさかのぼっていくことができるようにしているのだ。

 親戚で協力すれば、ひとりでやるよりももっと幅広い家系の情報を入力することができるだろう。アンセストリー・ドットコムでは、そうした共同作業も簡単にできるようになっており、場合によっては、自分の家系を探していた遠縁の親戚にここで初めて出会うということもよくあるらしい。

 こうしてできていくのが「ファミリーツリー」である。親から祖父母、曾祖父母とどんどんたどっていって、家系の全貌を示す樹系図ができる。これを見て行けば、自分の家系が何世代前にヨーロッパのどこの国からやってきたのかといったこともわかるし、その子孫がどこに住んでいる誰なのかといったことも大筋つかめるのだ。

戸籍制度のないアメリカで
自分のルーツ、血の成り立ちを知れる

 アメリカには、日本にあるような戸籍制度がない。したがって、独自に記録をつけていなければ、自分の先祖を簡単には確定できないのだ。さまざまな国からの移民で成り立っているので、自分たちのアイデンティティーに意識的なのかとも想像するが、実際にはドイツ系とかイタリア系とか、そういったざっくりしたオリジンは知っていても、3代、4代前の先祖が誰だったのか、親戚がどの程度いるのかといったことを正確につかんでいる人はあまりいないのが実態だ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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