ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

【パット・メセニー「アメリカン・ガレージ」】
その瞬間に、緑の草原に一陣の風が吹いて……

小栗勘太郎 [音楽愛好家]
【第50回】 2013年1月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 音楽が好きな人であれば誰にでも、初めて聴いた時の瞬間を憶えている音楽が幾つかはあるものです。その音楽を聴けば、その時の情景や匂いや季節や自分の気持ちまでもが鮮やかに蘇ってくるのです。もちろん、音楽の好みなど十人十色ですから人ぞれぞれです。それでも、そんな音楽って確かにありますよね。

 と、いうわけで、今週の音盤はパット・メセニー・グループ「アメリカン・ガレージ」 (写真)です。

 「アメリカン・ガレージ」は、1979年6月に米国東海岸のマサチューセッツ州ブルックフィールドで録音されました。もう34年も前ということになります。が、決して古臭くないどころか、今でもその響きは清新そのものです。特に、冒頭の“(アクロス・ザ)ハートランド”のイントロは、シンセサイザーとギター、そしてベースが16分音符で奏でるGの分散和音が、時代の閉塞感を打ち破り、此処に新たな音楽が始まると宣言しています。緑の草原に一陣の風が吹いて雲を吹き飛ばし陽光が差すような感じでしょうか。初めて耳にした時の爽やかな印象を憶えている人もきっと多いでしょう。

 この音盤は、パット・メセニーにとって初めてグラミー賞のベスト・ジャズ・パフォーマンス部門にノミネートされたものです。その後、今に至るまで圧倒的に多数の傑作・問題作を発表し続けてグラミーの超常連となりますが、この音盤こそ、その嚆矢となったのです。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

小栗勘太郎 [音楽愛好家]

1958年生まれ、牡羊座のB型。某国立大学卒、米国滞在5年。公僕を生業とする音楽愛好家。著書は『音楽ダイアリーsideA』 『同sideB』(西日本新聞社)。『毎日フォーラム』誌にて「歴史の中の音楽」を連載中。


今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

ビジネス・パーソンは日夜、現場で闘って、日々、喜怒哀楽を感じる。実は音楽の現場も同じだ。だって、音楽もビジネスも、所詮、生身の人間が作る、極めて人間くさい営みだから。音楽には妙な薀蓄など不要かもしれないが、音楽が生まれる時には物語がある。それを知って聴けば、喜びが倍になり、悲しみが半分になるかもしれない。毎週1枚、心のビタミンになるような音盤を綴ります。

「今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内」

⇒バックナンバー一覧