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1月11日 18時0分
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円高是正とアベノミクスへの思惑〜暗躍する抵抗勢力〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

来週の重要経済指標、主要企業決算についてPDF版のレポートで解説しています


今週も円安(=円高是正)が続いている。年初(1月4日)に1ドル88円台まで円安が進んだ後、今週に入ってドル円は一時86円台まで円高に戻る動きをみせた(グラフ参照)。これまでの円安ドル高のペースが急ピッチで、一旦利益確定売りの動きがあったと思われる。


単に利益確定売りの動きではなく、もう一つ、一時円高に向かいかけたきっかけになった材料がある。それは、金融緩和強化を主軸に脱デフレと経済復活を目指すアベノミクスの実現性について、疑念を及ぼすような報道が今週あったためである。

安倍内閣の主要な経済閣僚は、安倍首相が唱える経済政策に概ね賛同している。ただ、政策を実行するプロセスに入る中で、経済閣僚の間で、考え方や手法について意見の相違が浮上しているとみられる。

1月4日レポート「金融緩和を邪魔する抵抗勢力」では、金融緩和の強化に抵抗する考えを持つ勢力について紹介したが、この抵抗勢力による働きかけからか、アベノミクスが本当に実現するかという疑念を市場が抱いたということである。

具体的には、経済閣僚の中から、「脱デフレの責任を日銀だけに負わせるべきではない」、「日銀との物価目標について協定にこだわらない」などの趣旨の発言が報じられ、安倍内閣が一体となってアベノミクスを遂行しないのではないかと、との疑念が浮上したわけである。

ただ、メディアによるそうした報道は、経済閣僚本人の本当の考えが正確に伝わらない場合もある。11月27日レポートで、野田前首相による脱デフレを巡る発言が日経新聞紙上では伝えられなかったことを紹介したが、抵抗勢力と一体となったメディアが、アベノミクスを巡りバイアスを持つ報道を行っているかもしれない。そして、こうした報道に、金融市場の思惑が揺れ動いている、ということだ。

実際には、アベノミクスの実現性は、最終的には大きな権限を持つ安倍首相が考えを貫き、リーダーシップを発揮して妥当な判断を行うか次第である。本日(1月11日)の日経新聞のトップ記事では、安倍首相のインタビュー記事が掲載されているが、「日銀は実体経済に責任を持ち、雇用最大化を頭にいれて欲しい」「円高是正は政府と中央銀行の責任」「2%の物価目標を明記した共同文書」「日銀法改正は今も視野」など、従来からの考えはほとんど変わっていない。

この報道が伝わった本日の東京時間の朝方に、アベノミクスに対して一時揺らいだ疑念が和らぎ、ドル円は一時1ドル89円まで円安が進んだ(冒頭のグラフ参照)。

興味深いのが、本日の安倍首相のインタビュー記事に対する日経新聞の解説記事である。「首相、日銀へ関与継続 政策ゆがめる恐れも」と題されている。先に述べたように、金融緩和強化つまり脱デフレを邪魔する「抵抗勢力」と一体化しているようにみえる。そして、この根強い抵抗勢力の存在が、日本経済の病巣である。

こうした抵抗勢力に屈することなく、安倍政権が妥当な政策を遂行すれば、為替市場ではいずれ「円高是正」から「円安局面」にシフトする。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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