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ミャンマー その投資ブームは本物か

施行細則の発表を待つミャンマー新外国投資法
投資環境はどこまで整備されるのか

杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]
【第22回】 2013年1月17日
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昨年11月2日に成立した新外国投資法の施行細則の発表期限が、来月初めに迫っている。具体的なミャンマーの投資環境整備を占う際に重要なその内容について、内外で関心が高まってきている。昨年の新外国投資法改正においては、テイン・セイン大統領を代表とする改革派と、議会の保守派とのせめぎ合いで内容が二転三転したが、果たして今回の施行規則においては、どのような展開が待ち受けているのだろうか。

改革派と保守派との間で
内容が大きく振れた法改正

 改革のブームが喧しいミャンマーにあって、ミャンマー政府がどこまで本気に改革に取り組むのか、また外国企業のミャンマー投資に対する環境整備度合いを測る目安になったのが、昨年の11月2日に成立した新外国投資法だ。

 その基本的な構図は、より外資が進出しやすい環境整備を一刻でも整え、政治経済改革の成果をより早く実現したいテイン・セイン大統領と、急速な外国企業の参入を抑えて、少しでも競争力のない国内企業を守ろうとする保守派とのせめぎ合いの枠組みで捉えられる。(第14回記事参照)

 当初原案から幾多の修正が加えられた結果、最終的に昨年発表された新外国投資法は、投資優遇措置が改善され、外国投資の基本的な枠組みが整備された一方で、実際のところこれが本当にどこまで外国企業にとって投資しやすい環境につながるのかは、一見しただけではわかりにくい形で決着した。

 その最大の理由は、外国投資の認可・監督を行うミャンマー投資委員会(MIC)の権限が拡大され、法律の運用の仕方次第では、むしろ外国投資が阻害されかねない可能性があることと、新法に関する具体的な運用や手続き等については、新法成立後90日以内(今年の2月上旬まで)に、国家計画・経済開発省より公布される施行規則に詳細が規定され、その内容を見ない限り確定的なことはわからないからだ。

 現在ミャンマーにおいては、関連省庁を交えて最終的な施行細則の作成作業が行われていると聞く。果たして、これから開示される施行規則においては、新外国投資法改正の時のような、保守派による内容の揺り戻しがどの程度あるのだろうか。ひいては、昨年で大きく前進したと言われる外国企業にとっての投資環境整備は、実際どのような着地を見るのだろうか。

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杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]

すぎた こういち/カリフォルニア大学サンタバーバラ校物理学及び生物学部卒。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程卒。15年間にわたり複数の外資系投資銀行にて、海外進出戦略立案サポートや、M&Aアドバイザリーをはじめとするコーポレートファイナンス業務に携わる。2000年から2009年まで、UBS証券会社投資銀行本部M&Aアドバイザリーチームに在籍し、数多くのM&A案件においてアドバイザーを務める。また、2009年から2012年まで、米系投資銀行のフーリハン・ローキーにて、在日副代表を務める傍ら東南アジアにおけるM&Aアドバイザリー業務に従事。2012年に、東南アジアでのM&Aアドバイザリー及び業界調査を主要業務とする株式会社アジア戦略アドバイザリーを創業。よりリスク度の高い東南アジア案件において、質の高いアドバイザリーサービスの提供を目指してASEAN各国での案件を遂行中。特に、現地の主要財閥との直接の関係を生かし、日系企業と現地企業間の資本・業務提携をサポートしている。ミャンマーにおいては、大手事業会社、総合商社、金融機関等の進出戦略立案及びその実行サポートに携わる一方で、2012年よりダイヤモンド・オンライン(Diamond Online)にて、3年間にわたり人気コラム『ミャンマー その投資ブームは本物か』『海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線』を連載。


ミャンマー その投資ブームは本物か

民主化へ一気に動き出したミャンマー。政治体制の不安定さや民族間の紛争など、ミャンマー特有のリスクは依然として残るものの、欧米による経済制裁が解除されつつあり、世界中の企業が東南アジアの「ラスト・フロンティア」として注目している。現地では電力をはじめとした社会インフラに関する大型投資案件、工業団地の造成が急ピッチで進められている。日本企業も、成長の糧をミャンマーに見出そうと、熱い視線を注いでいる。しかし、ブームとなっているミャンマー投資は、果たして本物なのだろうか。ブームに踊り、現実を軽視した、拙速な投資へと急いでいないだろうか。現地取材を敢行し、冷静な目でミャンマーの現実をレポートする。

「ミャンマー その投資ブームは本物か」

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