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カツラーは今日も闘っているのだ!

CMはカツラーを惑わせる「いたずらな悪女」か

小林信也 [作家・スポーツライター]
【第5回】 2010年2月25日
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 私がカツラ・メーカーを選ぶとき、基準にしたのは「有名かどうか」だった。

 他の商品を選ぶときもブランド力に惹かれる場合はもちろんあるが、仮に無名メーカーの製品でも、自分がデザインや機能性を気に入ったらむしろ喜んで買うほうだ。

 他人の知らない、自分が見つけた逸品を持つのはブランド品を持つ以上の満足感もある。ところが、カツラの場合は「有名であること」が絶対的ともいえるほど、大きな決め手になった。

(有名メーカーのカツラなら、間違いないだろう。たぶん、有名メーカーが現段階で最高品質のカツラを提供しているに違いない)

 私はそう思い込んで、テレビで宣伝している以外のメーカーは選択肢にさえ入れなかった。テレビで宣伝していない、イコール、会社の規模が小さく信用できない、きっと品質も二流だろう、と決め付けたのだ。

 なぜそういう思い込みが成立したのか、他の商品ならそんな単純な思い込みに支配されないだろう。内緒にしたい、人知れずこっそり選ぶしかない、半ば心を閉ざしてする購入行為だから、つい視野が狭くなったのだろう。

 その時点で、メーカーの思うつぼにはまっていたのだと、あとになって気がついた。そのときは、普段の判断力や反骨心、独自な視点を失っている自分にまったく気づかなかった。

カツラの概念を覆す
画期的な増毛法?

 テレビのコマーシャルは、カツラーを惑わせる「いたずらな悪女」のような存在だ。

 一時、ある増毛法のCMが一世を風靡したことがあった。粘着性のある薄い素材に直接髪を植え、それを頭皮に貼りつけるタイプの増毛法は、そのCMによって日本じゅうに衝撃を与えた。

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20代から薄げに悩み、ある日思い切ってカツラを選択した著者。が、スポーツライターなのにアウトドアを避けるようになり、テレビ出演も断わり、どんどん内向的に。カツラーの悩みと葛藤、業界の掟などを面白おかしく綴った一冊。

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小林信也 [作家・スポーツライター]

1956年新潟県長岡生まれ。慶応大学法学部卒。高校では野球部の投手として新潟県大会優勝。大学ではフリスビーの国際大会で活躍。大学生の頃から『ポパイ』編集部スタッフライターをつとめ、卒業後は『ナンバー』のスタッフライターを経てフリーライターに。2000年に自らカツラーであることを著書『カツラーの秘密』でカミングアウト。著書は他に『高校野球が危ない』『子どもにスポーツをさせるな』『カツラーの妻(おんな)たち』など多数。


カツラーは今日も闘っているのだ!

カツラーとは、カツラをつけている人を意味する愛称です。カツラーは人知れず、日々闘いの連続。闘う相手は、汗・風・水(温泉)、他人の視線(たぶん自意識過剰)、恋人・妻・家族、そして自分自身。そんなカツラーの哀しくも闘う姿をご紹介しましょう。

「カツラーは今日も闘っているのだ!」

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