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加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る

140年前のリンカーンの夢がオバマ大統領誕生へ繋がった
両氏縁の地、シカゴを歩く!

加藤嘉一
【第17回】 2013年1月21日
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オバマを感じるために

今回の取材旅行の目的地、米シカゴ、ハイドパーク周辺。オバマ大統領縁の地だ Photo by Yoshikazu Kato

 1月15日正午、米シカゴ、オヘア空港から電車に乗る。ブルーラインとグリーンラインを乗り継ぎながら、私は電車の中で身をすくめていた。

 「治安、悪いな……」

 ハーバード大学のあるケンブリッジで過ごす私にとっての、初めて訪れるシカゴの第一印象だった。貧富の格差は誰の眼にも明らかだった。

 電車に乗って1時間ほど経って、目的地の「51st」駅に到着、下車。切符の料金は約2ドルだった。

 51ストリートに沿って、ワシントン公園を右手に見ながら歩く。気温はマイナス5度くらいか、止まない風が身体を冷たくさせる。坂道はほとんどない。街の区画は東西南北がはっきりしている四角い構造で、分かりやすかった。9年間住んだ北京の情景が脳裏に浮かんだ。

 しばらく歩いていると、年配の黒人グループ4人と若い黒人グループ4人がもめていた。どうやら、若者が年配者をからかったようだった。暴力はなかったが、前者が面子を潰されたのか、猛烈に言い返している。口にしているのが標準的な英語ではないことだけは聞き取れた。

 私は勇気を振り絞って年配者のほうへ近づいていき、「すいません。この道をまっすぐ行けばHyde Parkに着けますか?」と聞いた。年配者の一人は機嫌が悪かったのか、「おまえ、見ない顔だな。こんなところで何やってんだ」という面持ちで突っかかってきたが、私は冷静に言い返した。

 「自由な国アメリカでは道を聞くことすら許されないんですか? 違法行為をしているつもりはない。私はただオバマ大統領が生活したエリアを歩いてみたいだけだ」

 シカゴに来て気づいたのだが、“オバマ”という名前を出した瞬間、多くの人の機嫌は180度好転する。私が話しかけた年配の黒人男性もそうで、すぐになまった英語で「Oh, you like Obama, good, good man, over there, just go straight, man」と教えてくれた。私は一人一人と握手をして、「You are men, too」とだけ言ってその場を後にした。

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加藤嘉一 

1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012~2014年)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員(2014〜2015年)を務めたのち、現在は北京を拠点に研究・発信を続ける。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。日本語での単著に、『中国民主化研究』『われ日本海の橋とならん』(以上、ダイヤモンド社)、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)などがある。

 


加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る

「だったら、お前がやれ!」

 この言葉が意味すること、それは「対案の無い無責任な批判はするな」ということだ。「自分はどう考えるのか」、そして「自分は具体的にどのような行動をとるのか――」。何かに意見するとき、加藤氏は必ず自らに問いかける。加藤氏の行動規範としているものだ。
日本社会に蔓延る無責任な論評を、加藤氏の視点で切り込み、加藤氏なりの対案や考え方を示してきた本連載のシリーズ第2弾。2012年8月に加藤氏が拠点を中国北京から、米ハーバード大学ケネディースクールへ移し、新たなチャレンジをスタートさせる。2012年4月から8月までの第1弾とはひと味違う、加藤氏の言葉をお届けする。

「加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る」

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