開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

「子どもが賢く育つ家庭、そうでない家庭」親子の会話に決定的差Photo: Adobe Stock

家庭の会話レベルの差が、子どもの学力差につながる

 言葉を理解するということは、学びの基本です。学校の授業でも、そもそも先生が使っている言葉を理解できなければ内容はわかりません。

 ですので、子どもの言葉については、早くからレベルアップしておいて損はありません。

幼児語や赤ちゃん言葉は、子どものためにならない

 兄弟姉妹がいる家庭では、子どもたちが使う言葉は、だいたいが上の子のレベルに合わされます。兄弟姉妹で話すときに、上の子がイニシアチブを取っているからです。

 一方で、ひとりっ子の場合、極端な二極に分かれます。

 普段から親が大人言葉で話しかけていれば、親との会話が中心のひとりっ子は、高いレベルの言葉を早くから習得します。

 ところが、ひとりっ子に対し、「つるつる(麺類)食べる?」「パシャパシャ(洗顔)してね」など、いつまでも赤ちゃん言葉を使っている家庭も多いのです。これでは、子どものボキャブラリーが増えません。

 かわいいわが子の目線に、自分が降りていってあげたい気持ちはわかります。しかし、ここはあえて、大人のレベルに子どもをついてこさせる厳しさが必要です。

YouTubeも言葉を知るうえで役に立つ

 こうしたことから私は、とくにひとりっ子の場合、YouTubeなどを見るのは悪くないと思っています。そこでは、大人言葉が使われているからです。

「なんだかよくわからないけど面白い」と、自分の興味がある分野の動画を見ているうちに、そこで使われている言葉を理解できるようになるでしょう。

 もちろん、基本は親子の会話です。親が大人言葉でたくさん話しかけてあげることが理想であることは間違いありません。でも、時間が取れないこともあるでしょう。そんなときは、「ネット上の大人たち」に手伝ってもらいましょう。

 英会話学習では、ネイティブと話すことが理想ですが、それが無理でもオンラインでかなりの部分をフォローできますね。それと同じことだと考え、気軽にタブレットを用いましょう。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)