2012年はまれに見る政治の年だった。日米中露仏韓と世界の主要国で、政権が替わるか、新政権が発足した。それを投影して経済も不安定だった。さて、安倍新政権は、対外的には日中、日韓の関係改善という難題を抱える一方、大幅な金融緩和と財政出動を掲げてスタートを切る。政府部門はGDPの200%にも達する借金を抱え、再生は容易な道ではない。「巳年」の巳は草木の成長が極限に達して、次の生命が創られることを意味するという。果たして、日本は再生の糸口を見つけらるのか。そうした状況下、2013年を予想する上で、何がポイントになるのか。経営者、識者の方々にアンケートをお願いし、5つののポイントを挙げてもらった。

「ビッグデータ」がバズワードからキーワードに<br />モノを売る時代から顧客重視の時代へ<br />――ネットイヤーグループ社長 石黒不二代氏いしぐろ・ふじよ
ネットイヤーグループ代表取締役社長兼CEO スタンフォード大学にてMBA取得後、シリコンバレーにてハイテク系コンサルティング会社を設立し、日米間の技術移転等に従事。2000年よりネットイヤーグループ代表取締役として、ウェブを中核に据えたマーケティングを支援し独自のブランドを確立。著書に『言われた仕事はやるな!』(朝日新聞出版)がある

①データ・データ・データ。ビッグデータの配備がすすむ。

理由:2012年にはバズワードだったビッグデータだが、データの重要性を認識し始めている一部の企業が、マーケティング領域で実際の配備をすすめるだろう。デジタル領域でサイト分析やソーシャルメディア分析や既存データなどのデータを融合させ、モノやサービスを売るという概念から、顧客を知り顧客の嗜好や状態によって商品や付き合い方を変える時代に突入。