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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

日本株市場の「失われた3年」
安倍政権は“ジャパン・ペシミズム”から脱却できるか
――高田創・みずほ総合研究所チーフエコノミスト

高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]
【第88回】 2013年1月23日
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2009年半ばからの
日本株の出遅れ

 下記の図表は、金融危機以降の主要株価指数の推移である。日本株は他国の株式と較べて明らかに出遅れていただけに、ここ2ヵ月の株高はこれまでの出遅れの調整の側面が強いと評価される。また、こうした出遅れが生じた過去3年は、日本の株式市場の「失われた3年」であっただけに、その脱却が2013年の課題になる。

 それでは、なぜ2009年以降の日本株の完全な出遅れ、日本の株式市場の「失われた3年」が生じたのかを、改めて考える必要がある。ここで、2009年後半以降に乖離ができた要因を考えると、次に挙げる2点がある。

①為替の円高局面

②民主党への政権交代

 為替の円高は2007年以降続いており、2009年後半から新たに生じたものではないが、円高の影響が株価の重石になっていたのは事実であろう。一方、2009年9月の民主党政権の誕生は、非連続的な影響を市場に与えた。「生活者重視」とするスローガンのなか、企業との一体感など「プロビジネス」な動きが後退したとの印象が生じた。

均衡財政の乗数

 マクロ経済学の教科書に必ず出てくる議論に「均衡財政の乗数」がある。その意味するところは、増税を行ってその同額の公共投資を行うと、GDPが公共投資の分、拡大するというものである。簡単な数式示すと図表2の通りである。

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高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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