ダイヤモンド決算報#産業用装置Photo:Brett_Hondow/gettyimages

コロナ禍だけでなく、円安や資材高の影響も相まって、多くの業界や企業のビジネスは混乱状態にある。その状況下でも、苦境を打破できた企業とそうでない企業との間で勝敗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日立製作所や東芝などの「産業用装置・システム/業務用機器」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

東芝、日立ら増収
唯一ダイキンが2桁増

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の産業用装置・システム/業務用機器業界5社。対象期間は2022年2~6月の四半期(5社いずれも22年4~6月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ダイキン工業
 増収率:21.1%(四半期の売上高9678億円)
・日立製作所
 増収率:8.5%(四半期の売上収益2兆5698億円)
・東芝
 増収率:1.8%(四半期の売上高7407億円)
・三菱電機
 増収率:0.1%(四半期の売上高1兆677億円)
・三菱重工業
 増収率:2.3%(四半期の売上収益8713億円)

 いずれも前年同期比で増収となった産業用装置・システム/業務用機器の主要5社。中でも、ダイキン工業は3四半期連続で前年同期比2割超の大幅増収となっている。一方、三菱電機の増収率は0.1%で、かろうじて増収といった状況だ。一体なぜこのような差がついているのか。

 次ページ以降では、各社の増収率の推移を紹介するとともに詳しく解説する。