株式レポート
1月28日 18時0分
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米国株が高値更新を続ける理由 - 村上尚己「エコノミックレポート」

世界で株式市場の上昇が続いている。先週末(1月25日)の米国市場において、主要企業の好決算を材料に、S&P500指数は2007年12月以来の高値まで上昇した(グラフ参照)。1月7日レポートで、「財政の崖」への懸念が重石となっていたが、世界経済の回復を背景に米国株には上値余地が大きいことを指摘したが、想定通りの展開である(なお、米国株の上昇に警戒する見方もあるが、PERの水準などから割高ではないことを、1月21日レポートで説明している)。


米国経済復調は住宅や雇用関連分野で顕著だが、この景気復調を背景に、米長期金利は1.95%まで先週末に上昇している。FRBによる金融緩和政策は続くが、この金融緩和効果で経済活動が正常化し、かつて日本が陥ったデフレと長期停滞に陥る可能性が小さくなってきたことが、長期金利の上昇として現れている。

もう一つ、先週米国の長期金利上昇をもたらしたのは、米経済の最大のリスクが和らいでいるとの期待である。そのリスクとは、言うまでもなく欧州発で金融危機が再発するシナリオである。先週25日ECBが、2011年末に導入したLTROによって供給した資金について、銀行が計画している繰り上げ返済額が予想を上回ったことを発表した。

ECBによる危機対策が機能しており、欧州で債務危機が再燃するリスクが低下していることを意味する。古今東西、金融危機を伴う経済の大混乱を収束させるには、政府部門による金融機関への資金供給が必要になる。そして、政策が成功して危機が去ると、政府部門が投下した資金が増えて戻ってくる。

今回の欧州のケースは、ECBが供給した資金が直接増えて戻ってくるわけではないが、経済を安定させるという成果を収めつつある点では、同様の危機克服のプロセスが起きている、ということだろう。欧州債務問題のリスクの和らぎで、これまで世界各国で行われてきた金融緩和による景気刺激効果が、より一層強まる。

現在、米国債が売られ金利が上昇し、昨年秋口以降売られた米国株が高値更新を続けているのは、こうした世界経済正常化のシナリオが織り込まれつつあるためだろう。1月18日レポートでも述べたが、こうした世界の金融市場の正常化は、アベノミクス相場を後押しする大きな援軍である。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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