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リニア新幹線の候補3ルート
地元引き込みにこだわる長野県

週刊ダイヤモンド編集部
2009年7月10日
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 「地域エゴと言われますが違います。県外の方は、経緯を知らないのでそう思うのでしょう」

 長野県諏訪商工会議所の有賀昭彦会頭はこう語る。東京~名古屋間を約40分で結ぶリニア中央新幹線のルート問題についてだ。

 2025年開業を目指す東海旅客鉄道(JR東海)が6月18日、3つの候補ルート別の建設費試算を発表した。最も安いのが、南アルプスを貫通する直線ルート(路線距離286キロメートル)で5兆1000億円。対して、長野県内で大きく迂回する木曾谷ルート(同334キロメートル)と諏訪・伊那谷ルート(同346キロメートル)は、それぞれ5兆6300億円と5兆7400億円と試算された。所要時間も直線ルートより7分ほど余計にかかる。

 建設費を全額自己負担で賄うJR東海が想定するのは当然のことながら、直線ルートである。距離が最も短く、リニアの売り物である高速性が十二分に発揮できるからだ。建設コストや走行距離が増えれば、運賃にも跳ね返る。

 しかし、本命視される直線ルートに異を唱えるのが、長野県。素通りされてはならじと、迂回ルート実現に懸命だ。

 リニア中央新幹線の基本計画は1973年に決定されたが、当時は遠い未来の夢物語と思われていた。3つの想定ルートは当初からあったが、直線ルートは技術的に難しいとされ、2つの迂回ルートが有力視された。長野県内の2つの沿線で引っ張り合いが始まったため、県が調整に入り、諏訪・伊那谷ルートで一本化。89年のことだ。以来20年間、長野県は「県民の総意」として、諏訪・伊那谷ルートの実現を訴えてきた。

 しかし、技術の進歩が事態を変えた。直線ルートが実現可能となり、わざわざ迂回する必要性が希薄に。他県のリニア担当者は「JR東海は長野に対してもっとていねいに説明すべきだ」と語る。でなければ混乱は必至である。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 相川俊英)

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