予算委員会が始まった。国会はいよいよ本格的な論戦に入る。本臨時国会の会期は68日間。審議中の補正予算案のほかに、すでに給油継続法案、消費者庁設置法案などが提出されている。

 昨日(10月7日)、その予算委員会の席上で、菅直人民主党代表代行の質問に答える形で、麻生首相の注目すべき発言があった。

 「民主党との間に争点を設定しないといけない。国際貢献への考え方など、きちんと正確にした上で、どちらが政権担当能力があるか明らかにすることが必要だ」

 結論から言おう。麻生首相が念頭におく国際貢献とは、給油継続法案である。本コラムでも再三指摘したとおり、麻生首相はこの法案の継続に政治家としての信念を賭けている。

 北東アジアから、中央アジア・コーカサス、トルコ、中・東欧、バルト諸国まで延びる線上の国々への積極的な国際貢献を通じて、日本外交の地位を高めようというのが、麻生首相の著書『自由と繁栄の弧』の真髄だ。当然ながらその中にはアフガニスタンへの支援も含まれている。

 『自由と繁栄の弧』構想の屋台骨でもある同地域での国際貢献の必要性はまた、日米同盟を第一義とする「麻生外交」の最優先課題でもある。

給油法案継続は厳しいと
いまだに主張するマスコミ

 それは、総裁選の最中からのみならず、小泉内閣の外務大臣時代からずっと訴え続けてきたことだ。だからこそ、国会がどのような状況にあろうと、いくら「解散風」が吹こうと、同法案が提出されたことに驚きはないし、審議入り(未定)することにも何ら疑問を感じないのである。

 少なくとも、ダイヤモンドオンラインの読者ならば、麻生首相がそうした考えを持っていることはすでにご存知だろう。次は、もはや記すのも嫌になっているのだが、そうでない読者のために一応書いておく。

 新聞・テレビではいまだに、

〈解散が避けられない現在、同法案の審議入りは不可能だ〉
〈自衛隊の海外活動に批判的な公明党・創価学会の反対があるので審議入りは厳しい〉

といった論調が残っている。