タイ 2013年1月31日

タイに住む日本人が質問!
「不慮の事故に備えて、配偶者が自分の定期預金を自由におろせるようにするには?」
タイ人経理部長ブンが在タイ日本人の質問に答える【ブンに訊け!】

バンコク発ビジネス・生活情報誌『DACO』編集部のタイ人経理部長、ブン(女性)が日タイの架け橋となるべく日本人からの質問に答えます。

読者からのご相談配偶者が私の貯金を自由におろせるようにしたい
 僅かな金額の『定期預金』ですが、もし私に不慮の事故があり、自分自身で定期預金が下ろせなくなった時、配偶者(結婚6年目)が自由に下ろせるようにするには、どうしたらよいでしょうか。
 銀行はサイアムコマーシャルバンクでそこの女性行員に尋ねたところ、「普通預金にして、名義を連名にするしかない」と言われました。この定期預金は、ビザ取得 (ノンイミグラントO-A:長期滞在ビザ)のために長期に渡って貯蓄してあるものです。定期預金にしてあるのは、年金生活の私に少しでも金利が良いものと考えました。
 また、イミグレーション(出入国審査)で『連名の銀行預金残高証明は、本人の有効金額は半分になってしまう」と、聞いたことがあります。
 お忙しいとは思いますが、ぜひ良い方法を教えて下さい。(匿名希望さん)

 

【ブンからの回答】

ATMカードをもう一枚

 定期預金を解約して普通預金にして名義を連名にしても、あなた様が不慮の事故でサインもできなければ下ろせないのではないでしょうか。それより銀行にはひとつの普通預金口座でATMカードを5枚まで作れるので、一枚を配偶者に渡しておけば済みます。

委任状で定期の委譲も可

 さて、私の義理の妹がカシコン銀行に勤めているので聞いてみました。定期預金を自分に代わって配偶者に解約させて、自由に引き落とさせることは原則的には できません。しかし口座を開いた銀行の支店にAuthorized letter(口座の権限を委譲する証書)を提出してそれが認められれば可能です。この証書の書式はどこの銀行にも備えてあります。

 どういう場合に必要になるかというと、来月、大手術を行う予定があるとか、配偶者を置いて数カ月間、外国に行く場合などです。いずれも期限つきで口座の権限を委譲することができます。事故ですでに入院している場合でも同じです。Authorized letterを提出すると支店の行員が病院で事実を確認し認証する、という流れになります。

遺書のように書類作成はできない

 では「遺書」のように「(死にはしないが)なにかあったときのために」と弁護士を間に入れて、効力のある書類を作成はできないか。ダコの顧問弁護士に聞いてみました。「生きているうちは遺産相続といわない」ので生きているうちの口座の管理は銀行と相談しなければならないそうです。

 ご心配になっている意図はよくわかります。不慮の事故で植物人間になって自分の遺志も伝えることができない究極の場合を想定されていると思います。そのときは銀行と医師の立会いのもとあなた様の配偶者が定期預金を管理することができます。ご安心ください。

連名ではビザ取得できず

 イミグレーションについて言及している「連名は半分になる」について編集部で世話になっているビザのエージエントに聞きました。残高を証明する口座はあなたのひとりの口座名でなければなりません。1000万バーツの残高があろうとひとつの口座に連名ではビザは取得できないそうです。

タイの地場銀行のATMカード。口座を開設するのにパスポートのほか労働許可証や長期滞在ビザを必要とする支店もあるが、口座さえあればATMカードは数百バーツで「その場ですぐ」発行してくれる。【撮影/『DACO』編集部】

(文・撮影/『DACO』編集部)

 

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