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インキュベーションの虚と実

シリーズAクランチを乗り越えろ
激変するスタートアップのエコシステム
——ポール・マーティーノ/ブルペン・キャピタル マネージング・ディレクターインタビュー

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第20回】 2013年2月4日
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ポール・マーティーノ(Paul Martino)
1997年にセキュリティ・ソフトのAhpah Softwareを創業。2003年にマーク・ピンカス、クリス・ローらとソーシャル・ネットワーキングのTribe Networkを創業。2005年にクリス・ローとビッグデータ解析による予測・ターゲティングのAggregate Knowledgeを創業。Zyngaの創業期の投資など、個人投資家として10年以上活動。プリンストン大学コンピュータサイエンス修士。

 本連載第三回はリチャード・メルモン氏のインタビューだったが、今回は同じくブルペン・キャピタルの三人のマネージング・ディレクターの一人であるポール・マーティーノ氏に、最新のスタートアップ/ベンチャー・キャピタル(VC)事情と今後の展望を聞いた。

 シリコンバレーの新興VCであるブルペン・キャピタルは、野球のブルペンから中継ぎ投手を出すように、多くの米国スーパーエンジェルと付き合い、そこから紹介されたスタートアップに、従来型のVCが投資する前の、シード段階後に投資するユニークな存在だ。

 マーティーノ氏は高校時代に起業して以来、4社を起こしたシリアル・アントレプレナーであり、Zyngaを含むスタートアップに投資するエンジェルとしての活動も経験豊富だ。同氏は、こうした経験に加え、頭脳の明晰さと歯に衣着せぬ発言で知られる論客だ。

*  *

 

激変したスタートアップ投資のエコシステムを
シリーズAクランチが襲う

 昨年シリコンバレーで大きな話題に上った一つが「シリーズAクランチ」だ。スタートアップの数は増えているが、VCがシード段階の次の資金調達ラウンドであるシリーズAに出すカネは増えていない。つまり多数のスタートアップがシリーズAで金欠で餓死するのだ。数社に1社しかシリーズAにありつけないと言われるほど、危機的な問題となっている。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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