ラオス 2013年2月4日

「メイド・イン・ラオス」のラム酒をつくる!
脱サラしてラオスに渡った団塊世代の日本人

約8カ月のバックパッカー旅行後、2002年からラオスに住み、旅行会社を経てコーディネーターになった森記者が、ラオスでラム酒作りをする日本人についてレポートします。

土地を開墾するところから始まった

 ラオスの首都ビエンチャン郊外で酒造に携わる日本人たちがいる。南国の日光を一杯に浴びたサトウキビ畑から作られるのは、東南アジア唯一の内陸国ラオス産のラム酒だ。

 「ラオスの為に何かしたい。産業を創出したい」

 そんな思いで団塊世代のオヤジたちが集まった。当初はバイオエタノール生産を考えていたが、設備費や農業規模などが大規模になるため、個人の寄り集まりでは不可能と断念。そこで、発想を嗜好品のお酒に転換した。資本金は、メンバーが退職金を持ち寄り、ラム酒を製造する「ラオディー」社を設立。お酒はその国の酒税として、大切な財源となるため、外国人に対して酒造免許が許可されることは珍しい。

ラオディー社が製造するラム酒【撮影/テイスト・オブ・ラオス】

 彼らが造るラム酒は「アグリコール・ラム」といわれるもの。世界中で造られるラム酒の97%は、「インダストリアル・ラム」と呼ばれ、サトウキビ汁を絞った残りカスで造られる。それに対し、アグリコール・ラムは絞り立てのサトウキビ汁を使用するため、収穫期(12月から3月)の4カ月間しか製造できない。そして、新鮮でフルーティーなラム酒が出来上がる。

ラオディー社副社長の冨田栄蔵さん。「ラオス人従業員との接し方も根気が必要」と語る。【撮影/テイスト・オブ・ラオス】

 工場は、ビエンチャン郊外約50km。当初は、森林を切り開き、土地を開墾するところから始まった。メンバーの誰もが酒造などやったことがなかった。酒造りのいろはを学ぶため、九州や沖縄の酒造メーカーを尋ねた。酒造工場の建設許可取得に予想外に時間を要したり、発芽不良で約半分のサトウキビがダメになったりもした。

 現在、年間の生産量は5000~6000本。ほとんどが日本向けに生産されている。価格は、日本向け商品として350ml/1950円、700ml/3200円に設定した。これは、既存ラム酒の価格帯を参考にし、国産ラムと同じ価格帯にした。

 生産は無添加・無着色にこだわっている。アルコール分は40度から56度。ライム割、ソーダ割、ハチミツ割、お湯割にしても美味しいが、製糖後の廃糖蜜とは異なるフルーティーな味わいはストレートやロックでもいける。


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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