連載第21回は、最近ブレイクしつつある玩具会社の経営者2人を紹介しよう。彼らはもともと玩具の企画などに関わっていたが、共同で経営する会社ではあえて1つの業界にこだわらない。そして、少しずつ実績を積み上げている。2人の生き方や考え方からは、学ぶものが多い。

 あなたは、生き残ることができるか?


今回のシュリンク業界――玩具

 社団法人日本玩具協会によれば、2010年度における国内玩具市場の規模は、店頭価格ベースで6699億円。ここ数年は横ばい状態が続くが、少子化の影響もあり、市場が縮小していくことは避けられない。

 一方で、乳幼児玩具、男子玩具、女児玩具、ぬいぐるみなどはもちろんのこと、電子玩具、テレビゲーム、季節玩具、玩具菓子、フィギュア、カプセル玩具、オンラインゲーム、ソーシャルゲームと、商品の幅が広がりつつある。


2人だけの会社でヒット商品を連発
静かにブレイクするザリガニワークス

子どもが「欲しくない」と言うロボットが大ヒット!?<br />零細玩具会社の“脱力感経営”を支える類まれなセンス武笠太郎さん(左)と、坂本嘉種さん(右)。渋谷区のザリガニワークスにて

 原宿駅から歩いて15分ほどにある、1960~70年代を感じさせるマンションの一室。床には、紙袋や段ボール箱などが無造作に置かれている。棚には玩具やグッズが整然と並ぶ。

 それらの中には、ヒット作「コレジャナイロボ」や、シリーズで220万個売れた「土下座ストラップ」などがある。

「僕らがこの会社を創業した頃(2004年)、おもちゃの業界ではフィギュア・バブルと言われた時期がすでに終わっていた。そして子どもの数が年々、減っていく。その意味では、シュリンクと呼べるのかもしれない。それと……僕らの当初の想定の甘さもあった。まぁ、どこかでなめていたのかな……(苦笑)」