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『情報メディア白書』2013ダイジェスト

【新聞業界】
事業構造の転換を目指し、電子化や協業を加速

電通総研 メディアイノベーション研究部
【第1回】 2013年2月6日
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『情報メディア白書』(電通総研編 小社刊)は1994年から毎年刊行しているデータブック。新聞・出版から広告、携帯電話、通信販売業まで情報メディア全般にかかる14の産業を統計データを元に精緻に分析し、メディア関係者やマーケターの戦略立案を支えてきた。2月に発売した2013年版から、内容の一部をダイジェストで紹介する。第1回目の今回は新聞業界を展望する。

 日本新聞協会によると2011年度の新聞社総売上高推計額は1兆9529億円で、前年度と比較して若干の増加に転じた。減収を6年ぶりに脱したことになる。しかし、新聞販売部数および広告収入の減少傾向は続いている。増収となった要因は、新聞各社が新聞外の事業に力を入れたことによるものだ。

 さらに新聞産業にとってマイナス材料が二つある。一つは 2012年 7月、行政改革実行本部が発表した 中央省庁の新聞購読費削減。全体の 26.4%にあたる 5億8900万円を削減する方針である。もう一つは、2014年に導入予定とされる税率 8%への消費税増税だ。新聞各社は 5%に税率を据え置く形式での軽減税率を採用し、新聞をその対象とすることを主張している。

 新聞を全く読まない人の割合は毎年増加しており、無読者のなかには「購読中断者」と「未経験者」という2つのタイプがあることが明らかになっている。定期購読を中断した人の半数以上が、購読料の高さや家計の見直しなどの経済的理由によるものだが、そのほかにも、ネットで読む新聞ならではの特性を前向きに評価する意見もある。

 そうした流れもあってか、電子版新聞は各社ともに会員登録制の有料サービスや外部との協力体制構築に乗り出した。 全国紙でいち早く電子版を有料化した日経新聞電子版は有料会員が20万人を超え、米「TheNewYorkTimes」の32.4万人、英「TheFinancialTimes」の30万人超に続く規模の読者をもつ電子新聞に成長した。

 2012年5月には読売新聞が紙面購読者を対象とした「読売プレミアム」サービスを、また、毎日新聞は毎日新聞とスポーツニッポンの記事購読が可能なサービス「TAP-i」をスマートフォン、タブレット型端末に特化した形で開始した。ブロック紙では西日本新聞が2012年10月から地域に密着した経済情報の提供を開始している。

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メディアとオーディエンスを取り巻く環境変化や将来展望について、独自の視点と手法から知見を開発して情報を発信しながら、メディア産業に関わる企業のコンサルティング活動などを行なっている。


『情報メディア白書』2013ダイジェスト

情報、メディアを扱う産業は、時代の求めと技術の進展を貪欲に飲み込みながら、常に我々の生活を変えてきた。経済成長が停滞から抜け出せないこの20年の間も、新たなサービスが次々に登場し、既存の産業を巻き込みながら成長を遂げているのである。そのような産業群を、データを元に網羅的にウオッチしてきたのが『情報メディア白書』。分析したデータは、情報メディア産業が例年にも増して大きく変化を遂げていることを明らかにしている。

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