「ほうれん草の葉っぱは、いつから丸くなったのだろう?」

 もう20年以上も前になりますが、自炊し始めた頃、そう思った記憶があります。

「ほうれん草」の語源はペルシャから<br />回教徒の聖地巡礼より中国を経て江戸へほうれん草とあぶらげの煮浸し
【材料】ほうれん草…3株/油揚げ…1/2枚/出汁…1.5カップ(300ml)/酒…大さじ1/みりん…大さじ1/醤油…大さじ
【作り方】 ①ほうれん草は根を切ってよく洗い、4~5cm幅のざく切りに、油揚げは5mm幅に切る。②鍋で油揚げを空炒りし、出汁と酒とみりんを加えて中火で煮、一煮立ちしたらほうれん草を茎の部分から順に鍋に入れ、醤油を加えて2分ほど煮たら火から下ろし、自然に冷ます。

 筆者が子どもの頃は、ほうれん草の葉はギザギザで、形としてはタンポポの葉に近いイメージがありました。

 根のところは赤く、茎は細く締まっていて、いかにも強そうな感じのする野菜でした。

 その後、母の台所仕事を手伝うこともなく(苦笑)、お浸しや和え物、炒め物などに調理されたほうれん草の、原型を確かめぬまま時が過ぎて、気付いた時には私の知っているほうれん草ではなくなっていた……という不思議な感覚です。 

 味も、苦みやアクが少なくなっている分、甘味も減っている感じがして、変化に気づかずにいた自分に驚いたものです。