宅配便最大手のヤマトホールディングスが「脱・国内宅配便依存」を急いでいる。来年1月に悲願の海外宅配便事業に乗り出ほか、国内では宅配事業への依存体質から脱却するために100事業を育成する「ムカデ作戦」を展開中だ。新戦略への意気込みと勝算を、瀬戸社長が熱弁する。(聞き手/『週刊ダイヤモンド』編集部 臼井真粧美)

ヤマトホールディングス社長 瀬戸 薫

 われわれが目指すのは、生活イノベーションを支援する会社。単に荷物を運ぶだけではなく、身の回りのいろいろな困ったことを個人利用者、企業担当者からご相談いただき、それを解決する。

 そのために新しいサービス、仕組みをつくることが10年間で100事業を創造する「ムカデ作戦」の真意だ。

 たとえば地方で農業や漁業の皆様のお役に立つために、農協では扱わない不揃いな野菜やへこんだ果物を、希望する消費者や加工会社の手に届く仕組みをつくってはどうか。

 荷受者側に荷物を受け取るストレスがあるならば、それを解消して差し上げるために、通勤途中に立ち寄る場所で受け取っていただいてはどうか。お客様視点でサービスを実現する手段を探っている。