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岸博幸のクリエイティブ国富論

民主党政権に立ちはだかる脱官僚の高い壁

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第53回】 2009年8月31日
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 皆様ご承知のとおり、衆院選は下馬評通りに民主党の圧勝で幕を閉じました。そこで、今回の選挙結果をどう評価すべきか、今後の注目点は何かについて、私なりの考察を述べさせていただきます。

 2005年の「郵政選挙」では、自民党は300議席、民主党は115議席でした。それが、今回の選挙の結果、民主党が308議席、自民党が119議席と、正反対の結果となりました。ただ、これは主観的な見方になりますが、前回の郵政選挙で自民党が圧勝した理由と、今回民主党が圧勝した理由は全然異なるのではないかと思います。

 郵政選挙では、構造改革という政策の方向性と小泉さんの人気という自民党側の要因で圧勝となりました。これに対し、今回の選挙での民主党圧勝の原因は、民主党の政策が自民党より優れているとか、鳩山党首が麻生総理より優れているということではないと思います。

 むしろ、安倍・福田・麻生と3代の総理の間での自民党の政策の後退や麻生総理の漢字読み間違いなど、いわば敵方である自民党側の“敵失”が民主党圧勝の主因ではないかと思います。よく言われているように、国民の中に、“自民党政権はあまりにグダグダだから、一度民主党に政権をやらせてみよう”という意識がやはり強かった結果ではないでしょうか。

 そもそも、両党のマニフェストの出来には大きな違いはありません。色々な場で酷評してきましたが、やはり両党ともかなり出来が悪い内容と言わざるを得ません。もちろん、だからと言って民主党の勝利に因縁をつける気もありません。何が勝因であろうと、40日間という長期の選挙戦を乗り切って圧勝したことは素直に高く評価すべきです。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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