そのギリギリのところでうまい「温度調節」をすることが、いまどきのマネジャーの役割なのかもしれません。そのように考えると、前述した職場の複雑化を前提に、マネジャーの仕事は難しくなるばかり、という気がします。方針を決めて下におろせばすむ経営者の仕事より、はるかにはるかに難しいのが、マネジャーの毎日の仕事です(もちろんビジョン策定、投資の決定というような経営者の決断を軽く見るつもりはありませんが)

 「あんまり深刻に考えてもおもしろくないし、うまく行きませんから、みんなの力を借りて、楽しくやっていきたいと思っていますけどね」

 タナカくんは、彼らしく笑いながら、そう言いました。

 働きかたの複雑化と、マネジメントの複雑化。それをふまえてのマネジャーの仕事の難易度アップ。そうした環境下で、どのようにすれば若手がうまく育っていくか、育てることができるか。この連載で折に触れて考えていくことにします。

 タナカくんがいかなるOJTを実行して若手を育てていくか、興味津々です。それについては、いずれまた語ってもらいましょう。

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