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山崎元のマネー経済の歩き方

期待リターンは
社会的に決まる

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第264回】 2013年2月18日
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 お金の運用について説明する際に、うまく伝えるのに苦労するけれども大切な機微は、資産の「期待リターン」の決め方だ。

 多くの人の資産運用に関するイメージは、経済の大きな流れを読んで、市場の動きを予想し、資産配分を決めて、次に、個々の企業を調査して投資する銘柄を決めるといった流れだろう。

 運用会社からの運用結果に対する説明(しばしば「言い訳」)が、この流れなので、これが普通の考え方だと思うのも無理はない。

 しかし、例えば、「今後1年間、日本株は他の資産よりも高い利回りを上げ、30%くらい上がるだろう」との予測を持ったとしても、自分のお金の運用を「100%日本株」に配分する人はプロ、アマ共に少数だろう。例えば、運用資産の25%だった日本株への資金配分比率を50%に増やすかもしれないが、残りの50%は債券や預金にするかもしれない。

 ここで、100%日本株としない理由は、「予測がはずれる可能性があるから」ということだろう。

 では、なぜ50%なのか。40%でも60%でもよいのではないか。

 自信を持って配分の根拠を言える人は少ないだろうが、それは、予測がはずれる可能性とその程度(要は「リスク」)と、たぶんこれくらい獲得できるのではないかと思ったもうけ(つまり「期待リターン」)のバランスで、そうしたのだという説明になるだろう。

 複数のリスク資産がある場合には相関関係も考えなければならないが、「リスク」を決めて、次にそれぞれの資産の「期待リターン」が決まると、最適な資産の配分が計算できる。難しいのは、「期待リターン」の決定だ。

 結果に対する影響が大きいのは、リスクの数値よりも期待リターンであることが多い。

 では、ここで日本株の期待リターンを、自分が直感的に思った通りに30%としていいのだろうか。理屈上は、それが自分の信じる投資収益の「期待値」なら、日本株の期待リターンを30%として計算していいはずだ。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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