◆ラジャス(激しい性質)

 ラジャスな性質の食べものは、刺激が強いもの、消化に時間がかかるもの、脂っこいものです。たとえば、肉や魚、カフェインの入ったコーヒーや紅茶、ニンニクやタマネギ、赤唐辛子などのスパイス、揚げものが挙げられます。このような食べものを摂取すると、目が覚めたり、やる気が出たりする反面、イライラしたり、攻撃的になることもあります。

 味としては、「酸味」「塩味」「辛味」がラジャスな性質を高めます。ラジャスが増えると、興奮したり、怒ったり、性的妄想を抱いたりしやすくなりますから、気をつけましょう。

 なお、ラジャスな性質の食材の中には、身体を温める効果があるものもあるため、身体が重だるいとき、減量したいときなどは、適量であればおすすめできます。インドでは、風邪の予防や回復のために、温かい牛乳にターメリックと黒コショウを入れて飲むのが一般的です。乳製品は、身体を冷やして粘液を増やすので、それだけ単独でとると風邪を悪化させることがありますが、スパイスをうまく組み合わせることで、中和させることができるのです。

 心がラジャスな状態になると、快楽への欲望が強まり、行動が激しく攻撃的になります。

 ラジャスな心の特徴は、利己主義、貪欲、渇望、嫉妬、そして心身の不安定です。そわそわと歩き回ったり、爪をかむなど落ち着きのない行動をとるのもラジャスです。

 ラジャスが持つ意欲や目的意識の高さは、プライド、権力、リーダーシップとなってあらわれます。ラジャスは、学びの初期段階においては欠かせない要素と言えますし、うまく導いてあげれば、サットヴァに転向する可能性を秘めています。ただし、ラジャスが支配的になると、ものごとへの執着をなかなか手放すことができず、苦しみへと続く道を辿ることになります。