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『情報メディア白書』2013ダイジェスト

【劇映画・ビデオソフト】
国内スクリーン数が減少に反転
劇場の新たな魅力づくりに試行錯誤

電通総研 メディアイノベーション研究部
【第3回】 2013年2月20日
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『情報メディア白書』(電通総研編 小社刊)は1994年から毎年刊行しているデータブック。新聞・出版から広告、携帯電話、通信販売業まで情報メディア全般にかかる14の産業を統計データを元に精緻に分析し、メディア関係者やマーケターの戦略立案を支えてきた。2月に発売した2013年版から、内容の一部をダイジェストで紹介する。第3回目の今回は映画業界を展望する。

 2011年の映画市場は、過去最高の興行成績を収めた前年から大幅減に転じ、1812億円(前年比82.1%)と、直近の10年間で最も低い水準になった。2011年3月に発生した東日本大震災の影響で、上映中止や公開延期、テレビCMの自粛といった特殊な事情はあったがスクリーン自体の営業復旧は比較的早く、市場縮小は作品自体の興行成績によるものである。

 2012年の上半期の映画市場は、邦画大手3社合計の興行収入が466億円(前年同期409億円)、前年同期比114.1%と好調である。2012年の夏休み公開を終えた時点では、邦画では「BRAVE HEARTS海猿」(興収72億円)、「テルマエ・ロマエ」(同 59億円)が2011年の邦画トップ興収をすでに超えている。洋画では「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」(同53億円)が好成績を収めている。

 2011年のビデオソフト出荷市場は2611億円(前年比98.0%)になり、7年連続で前年割れした。ネットでのレンタルやダウンロードサービスも進んでおり、今後もパッケージソフト市場は厳しい状況が続くとみられる。

 こうしたなか、劇場公開作品のレンタル開始、セルソフト販売までの期間はますます短くなっており、限定的なファンを見込む劇場公開作品では封切前にオンデマンド配信する例も出てきた。劇場からレンタル、セル、有料放送、地上波放映という流れは変わらないが、視聴機会や手段の増加により、短期集中で投資を回収する動きが強まっている。

 こうした視聴機会の増加は、スクリーンがもつ「場の優位性」を低下させている。2011年12月末のスクリーン数は3339スクリーン、うち3D対応しているのは951スクリーン(構成比28.5%)と、スクリーン自体のクオリティは向上しているが、ネット配信によって自宅で好きな時間に好きなコンテンツを視聴できるようになったユーザーに、いかにして映画館まで足を運ばせるかが課題となっている。

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メディアとオーディエンスを取り巻く環境変化や将来展望について、独自の視点と手法から知見を開発して情報を発信しながら、メディア産業に関わる企業のコンサルティング活動などを行なっている。


『情報メディア白書』2013ダイジェスト

情報、メディアを扱う産業は、時代の求めと技術の進展を貪欲に飲み込みながら、常に我々の生活を変えてきた。経済成長が停滞から抜け出せないこの20年の間も、新たなサービスが次々に登場し、既存の産業を巻き込みながら成長を遂げているのである。そのような産業群を、データを元に網羅的にウオッチしてきたのが『情報メディア白書』。分析したデータは、情報メディア産業が例年にも増して大きく変化を遂げていることを明らかにしている。

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