値動きの大きい香港と韓国市場
ブル型とベア型の二つで
よりダイナミズムを実感

 新しいタイプの商品として野村グループが手掛けるのが、「NEXT NOTESシリーズ」。2月に上場したのは、香港ハンセン指数や韓国200種株価指数(KOSPI200)などをベースとして作られたブル/ベア型指数への連動を目指すETN-JDRである。ETNはもともと債券だが、前述のRQFII型と同様、JDR形式のため、日本株と同じ口座で取引ができる。

上昇だけでなく、
下落局面でも威力

 このシリーズはそれぞれにレバレッジ型(ブル型)とインバース型(ベア型)があり、株価の上昇局面でも下落局面でも柔軟に投資手法を選択することができる。レバレッジ型とは対象指数の動きにレバレッジをかけて上昇局面でより大きな利益を得るもの。インバース型は対象指数の動きとは真逆の動きをするもので、対象指数の値下がりを予想したときにインバース型を買えば利益が期待できるし、現物株やETFなどを保有している場合は、値下がりリスクをヘッジする手段としても使える。

 これまで個人投資家が香港や韓国の株式指数の動きに対してレバレッジを利かせたり、下落局面で投資をしたりするためには、証拠金を積んで先物を利用するなどしか手段がなかった。しかし「この4本を使えば香港株と韓国株というアジアでも魅力的な投資対象を、すでに保有している日本株の口座を使って手軽に売買できます」(松本氏)。

 香港とは時差1時間、韓国とは時差がないので、現地の市場の情報をリアルタイムで得ながら国内で取引ができるというメリットもある。「例えば、市場がクローズした後に何か重要な発表などが行われた場合、香港市場が開く前に日本市場で先に香港市場に投資することも可能です」(木村氏)。

 ただしリスクも大きいので、漫然と長期保有するのではなく、常に市場を注視しながら投資すべきということは覚えておこう。