縄文時代から食べられていた蜆は、同心円状に成長し、殻に輪状の筋が刻まれる様子が縮んで見えることから「しじみ」と名付けられたと言われています。

 日本に昔からある品種はヤマトシジミ、マシジミ、セタシジミの三種ですが、マシジミとセタシジミは環境の変化で激減し、現在流通している蜆のほとんどはヤマトシジミという品種です。

縄文時代から食された健康食品の蜆《しじみ》<br />江戸の朝の定番メニューは「蜆の味噌汁」蜆飯(『素人庖丁』より)
■作り方/砂抜き蜆…150/温かい御飯…1杯分/出汁…150ml/味噌…小さじ1/小葱…適量/粉山椒…少々
【作り方】 ①鍋に出汁と蜆を入れて弱火にかけ、アクを取りながら煮る。蜆の口が開いたら火を止め、スプーンなどで身を取り出す。②1の煮汁に味噌を入れて煮溶かし、茶碗に盛った御飯にかけ、蜆の身と小葱の小口切りをまぶし、粉山椒を振る。

 ヤマトシジミは、今の季節の“寒蜆”と、夏の盛りの“土用蜆”というように、旬が2回あります。

 夏は産卵期を迎えて蜆が肥え太るために身を楽しめ、冬は土の下に潜って栄養を蓄えるためのコクのある出汁が出ます。

 現在も健康補助食品として人気なように、昔から蜆が身体に良いことは知られていました。