ブランド・マネジメントの中の2大要素:焼印=ブランディング

 では、ブランド・マネジメントの中身はいったいどんな要素があるのでしょうか?

 大きく分けると次の2点になります。

◎焼印
 ◎ブランド・プロミス

 ブランディングの語源は、牛のお尻に押す「焼印」からきていると言われています。

 昔、牛を放牧していると、「どの牛がうちのマイクで、どの牛が隣のジェーンかわからない」ということがあったために(残酷ですが)、牛のお尻にジュッと焼きごてで印をつけて見分けていたことからきています。

 つまり、「見ただけでわかるようにする」ことがブランディング=焼印なのです。

 ルイ・ヴィトンもそうですし、コカ・コーラやマクドナルドのロゴなどは、一見すればすぐに識別できますよね?このようにアイコンやロゴを開発し、浸透させることがブランド・マネジメントの第一歩になる「ブランディング」です。

 ブランディングで重要なことは、いつも「同じアイコン」を適切なタイミングで「何度も」見せていくことにあります。ロゴの形や色が同じものでないと、消費者はそのブランドを認識できないからです。

 私がフィリップモリスにいた時の最重要ブランドは、「マールボロ」というブランド価値が当時50億ドルと言われていたブランドでした。

 全世界で販売されていますが、イタリアでも南アフリカでもブラジルでも日本でも、マールボロの赤の色とロゴの形は全く同じです。

 それくらい、気を使って「同じものを見せ続けること」で、やっと消費者は覚えてくれるようになります。

 余談ですが、私自身もセミナーで講師をして人前に立つときや取材での写真撮影時、またブログやフェイスブックのプロフィール写真では、すべて「紺のブレザーとピンクのボタンダウン」で統一しています。

 これによって『あ、理央さんだ』と認識してもらいたいからです。最近では、街などでお会いした人に「今日はピンクのシャツではないのですね」と言われるようになりました。

 大企業のブランドでも、個人事業主でも同じことになります。