日経平均は反発。76.81円高の11385.94円(出来高概算33億株)で取引を終えた。
欧米株安の流れから利食い優勢となり、一時11175.67円と5営業日ぶりに11200円を下
回る局面をみせた。その後、財務相による次期日銀総裁に関する発言が伝わる中、政
府日銀の連携強化への思惑などから、前引けにかけては押し目買いの流れに。
後場に入ると戻り基調が一段と強まるなか、為替市場も円安に振れる格好となり、
日経平均は本日の高値圏で取引を終えている。ただし、インデックスに絡んだ商いが
中心となり、日米首脳会談や日銀総裁人事、欧州ではイタリア総選挙を控え、全体と
しては手掛けづらい相場展開だった。東証1部の騰落銘柄は、値上がり573に対して値
下がり982、変わらず145と、値下がり数が全体の過半数を占めている。
来週は日米首脳会談後の安倍首相による環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参
加に前向きな発言が出るかが相場の方向性を決めそうだ。また、次期日銀総裁人事案
を、衆参両院の議員運営委員会理事会に内示する見通しである。総裁人事が明らかに
なることで、トレンドが強まる可能性もありそうだ。
(村瀬智一)