株式レポート
2月26日 10時30分
マネックス証券

第34回  投資教育 その2 - 広木隆の「投資の潮流」

前回、このコラムでは2月8日付日経新聞の特集記事「金融ニッポン」を取り上げた。「教育の空白1500兆円眠らす」というサブタイトルがつけられたその記事は、わが国における投資教育の不備がお金の流れを停滞させ経済が活性化しない原因のひとつになっていると指摘する。

記事の基本的な主張に異を唱えるつもりはない。ただ、その論法として、詐欺に騙されてしまう主婦の例を引き合いに出すのはいかがなものかと述べたのだ。それは単に一般常識の欠如であって投資教育以前の問題であると。

こうした記述にも首を傾げてしまう。<1500兆円の個人金融資産の半分以上を占める預金から、株式や投信などに資金を移し、資産形成を促す。そんな狙いから、国は「貯蓄から投資へ」の旗を振る。しかし、多くの個人は投資に関する基本的な知識を持たず、お金はなかなか動かない。> この論法が正しいとすれば、預金から株式や投信などにお金が動かないのは、多くの個人が投資に関する基本的な知識を持たないからだということになる。

日本経済は長期にわたってデフレに悩まされてきた。デフレのもとでは「Cash is King (キャッシュ・イズ・キング)、現金が王様」である。誰に教えられることもなく、多くの個人は経済的に合理的な選択をしてきたのである。下手に株や投信に手を出しても、きっと報われることはなかったであろう。大雑把な例を挙げれば、TOPIXの昨年末の値は約860ポイントで、その10年前、2003年末の値が1043ポイントだから10年間日本株市場全体に投資し続けてもリターンはマイナス17%であった。この間に、大きな相場の上げ下げがあったが、上手くマーケットタイミングを捉えてそこを乗り切れた投資家は少数だろう。

これに対して米国のS&P500は10年前、2003年末の値が1,111ポイントで昨年末が1,426ポイント、28%の上昇である。しかも、過去10年間の年間のリターンを見ると、リーマンショックが起きた2008年を除いてはマイナスの年がない(厳密には2011年はマイナスだが、ほぼ横ばいといえる)。

投資教育の欠如が、預金から株への資金シフトを阻害しているというよりは、自国マーケットに投資するだけの魅力がなかっただけであり、「預金から株式へ」というお金の流れが生まれなかったのはむしろ当然ではないかと思う。機関投資家でさえ敬遠するような株式市場に、個人が投資を行うほうが不自然ではないか。

属人的ベースでみた個人には投資に関する知識が足りないかもしれない。しかし、それは決定的な欠陥というほどではない。むしろ個人総体としては正しい投資判断をしてきたとさえ言える。そして、いざ株式市場の潮目が変わったと見るや、四季報が品切れになるくらい投資熱が高まる。最近の株式市場はかつての閑散が嘘のように活況である。一旦潮目が変わればこれほど相場は様変わりする。そうしたマーケットというものの面白さや魅力を伝えるほうが、投資教育などと大上段に振りかぶるよりも、ずっと効果的ではないかと思うのだ。



(チーフ・ストラテジスト 広木隆)

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(マネックス証券)


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