タイ 2013年3月1日

タイに住む日本人が質問!
「自動車事故を起こした場合の保険金の支払いについて教えてください」タイ人経理部長ブンが在タイ日本人の質問に答える【ブンに訊け!】

バンコク発ビジネス・生活情報誌『DACO』編集部のタイ人経理部長、ブン(女性)が日タイの架け橋となるべく日本人からの質問に答えます。

読者からの相談:自動車事故の保険について
 通勤・営業で社用車を自分で運転しております。自動車・保険証書を見ますと、補償額は日本と比べてあまり高くありません。
■人身事故で相手が死亡・ケガ:100万バーツ(約300万円)
■事故1件当り:1000万バーツ
■物損:500万バーツ
■運転者が死亡・ケガ:10万バーツ
■同乗者が死亡・ケガ:10万バーツ(4名まで)
 さて、人身事故を起こした場合など、保険額を超える補償請求をされることはあるのでしょうか?
 日本から出張者が、国際免許を用いて、タイ国内にて運転することもあります。国際免許を用いて、タイ国内にて自動車を運転してる外国人が事故を起こした場合も、保険にてカバーされるのでしょうか?(富士山)


【ブンからの回答】

保険金の上限額以上に賠償金を要求されることもある

 泥酔してスピードオーバーで事故を起こしたりしたら情状酌量の余地はなく、保険金の上限額以上に賠償金を要求されることがあります。

 まずは示談となりますが、その場合、警察を交えて保険金の上限額を超えた分をどれくらい払うか交渉するのが普通です。交渉で解決できない場合、警察が書類を作って検察官に送り、裁判での解決になります。

 扶養家族の有無、年齢など被害者(または残された家族)が被る経済的負担の程度は被害者によって異なりますので、裁判官がそれらを考慮して妥当な額を決めます。

 事故を起こしてしまったら、被害者を家族のように思って助けることです。足繁く見舞いにゆくなどして、できるだけ相手の面倒を見ることが大切です。警察の 調書に「事故を起こした人は被害者によく接し、面倒見ていて、被害者がある程度満足した」と書いてあれば、「事故を起こした人が反省して、被害者をできる だけ助けた」と裁判官の心証をよくすることができますから。罪を認めて、罰を軽くすることに努めましょう。

 頑として罪を認めないで裁判所で勝って罰を受けないで済むこともありますが、その可能性はとても低いようです。負ければ被害者の家族から高額な賠償金を要求されることになります。

 しかし! 事故に便乗して、ここぞとばかりに高額な賠償金を要求しようとする人もいるので注意が必要です。事を簡単に終わらせず、何度も金を要求してきます。こういう場合、裁判に持ち込んで裁判官に適当な額を決めてもらって終わらせるべきです。

 たいていの場合、被害者は早くお金が欲しいので、その場での賠償金を認めるようです。裁判に持ち込めば、結審するまで長い時間がかかるからです。

 被害者がとても話の分かる人でも、自分達だけで話し合わないで、必ず警察にも話を聞かせて、事件の記録をしてもらうべきです。

 国際免許を持った日本からの出張者が事故を起こした場合でも、車にかかっている保険契約条項によって普通に支払われます。重要なことですが、その車の保険 契約条項に「○○氏が運転して事故を起こした場合に限り支払われる」というような項目がありますので、「だれが運転しても事故を起こしたら支払われる」ようになっているかどうか、確認してください。

夕方の大通りはぐちゃぐちゃ。我先にと前へ出る車の間を2人乗り3人乗りバイクが縫うように走る。これが日常の風景だ。ここで事故を起こすと、この道路上に停車して、保険会社の調査員を待つ。1時間で100メートルしか進まないときなど、前方で事故が発生している【撮影/『DACO』編集部】

(文・撮影/『DACO』編集部)

 

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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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