管理員のスキル向上に
研修+OJT+広報誌

 同社では、管理員のスキルアップを目指し、「丸紅コミュニティ研修センター」を東京・大阪の本社ビル内に設置している。管理員が必要とする知識と技術を習得できる“体験型”研修施設となっているのがポイントだ。

管理員の実技研修風景

 実際に、マンションのエントランスや管理事務室などと同様のスペースが作られ、そこで清掃、照明管球交換といった実技が体験できる。また、管理員マニュアルやDVDを視聴したり、各種セミナーを受講するスペースもあるため、多様な方法で、技術と知識を習得することができる。

「この研修センターは、管理員のレベルアップのための研修を中心に利用されています。ただ、マンション管理の研修というのは、こういった研修だけで完結するものではありません。現場でのさまざまな経験、業務を行いながらのOJT(現場教育)が何より大事。そしてその経験を、他の管理員たちと共有し合うことも必要なことだと思います」

管理員専用の広報誌。一人で悩みがちな業務に関する疑問や、作業ノウハウなどの情報交換を同社の管理員同士で行える小冊子(年4回発行)

 管理員と社員、そして管理員同士のコミュニケーションを高めるために、同社では、管理会社には珍しく、管理員向けの広報誌『笑顔の達人』(季刊)を発行している。

「インターネットが当たり前のように使われる時代ですが、年配の管理員も多くいますので、昔ながらの小冊子の方が手元に置いて親しめるという声もいただいているんです」

 防災については、停電時でも管理員との連絡がとれるように、携帯電話の手動充電器などの防災グッズと防災マニュアルをすべての管理員室に用意した。

 さらに、防災の専門家を招いたセミナー、防災訓練、地域イベントなどの開催を支援することで、防災意識を高めている。

 丸紅という広く知られたブランドとグループ力を持つ同社だが、今後の課題はあるのだろうか?

「確かにブランドの力も大きいとは思いますが、そのブランドがあるために、お客さまのご期待に沿ったいい仕事ができなければ、逆に失望させてしまう恐れもある。ブランドというのは、“両刃の剣”の面があります。我々は、常に“お客様の期待を超えるパートナー”でありたいと思っています」

管理会社を選ぶ基準は信頼できるかどうか

「クルトーア草津」
管理組合理事長
鯉沼光一さん

 群馬県吾妻郡草津町に建つ地上12階建て、総戸数386戸の大型リゾートマンション。草津だけあって温泉施設を併設しているのが魅力だ。
 当施設の管理について、管理組合理事長・鯉沼光一さんに聞いた。
「リゾートマンションですから、入居者がいつもここで暮らしているわけではないので、当然、管理については、管理会社さんに頼る部分が多くなります」
 当初からずっと、施工会社系列の管理会社に委託していたが、1年ほど前に管理会社を変更した。
「きっかけは、管理会社に質問をしても明確な返答が返ってこないことが多かったから。それで信頼を失い、管理会社を替えることになりました。7社ほど見積りをとり、4社のプレゼンを経て、一番わかりやすい説明をしてくれた丸紅コミュニティさんに決めました」
 管理組合で問題となっていた「管理費滞納」について的確な改善策を提示されたこと、また、以前からいる管理員を引き続き採用してほしいという要望にも柔軟に応じてくれた点も好評価につながったという。
「当たり前ですが、こちらの質問にきちんと答えてくれるので、安心できるようになりました。管理会社のご担当者がよくやってくれています」

丸紅コミュニティが管理する「クルトーア草津」