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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

有能な人材をカネで懐柔はできない

上田惇生
【第82回】 2008年8月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
ネクスト・ソサエティ
ダイヤモンド社刊
2300円(税別)

 「いかなる組織といえども、有能な人材を惹きつけられなくなれば、内部崩壊が始まる。その結果生ずる長期衰退を逆転させることは至難となる」(『マネジメント・フロンティア』)

 有能な人材は不況時でさえ、挑戦や機会がなく、何事かを達成できないところにはとどまらない。仕事の内容を大きくし、挑戦のしがいのあるものにしなければならない。

 ところが、われわれは相も変わらず、カネがすべてと思っている。そのため、カネを持っている者が主人であるとの考えに固執する。

 しかも一流の人材を、月給やボーナスやストックオプションによってつなぎとめようとする。それでは彼らをとどまらせることも、フルに力を発揮させることも不可能である。知識労働者をカネで懐柔することはできない。

 知識を基盤とする産業の場合、その成否はどこまで知識労働者を惹きつけ、とどまらせ、やる気を起こさせるかにかかっている。どこまで価値観を満足させ、位置づけを与えることができるかが鍵である。

 ドラッカーは、そのためには彼らを部下ではなく同僚として、高給の社員ではなくパートナーとして遇さなければならない、とまで言う。

 「フルタイムの従業員をボランティアのようにマネジメントしなければならない。彼らには組織を移る力がある。実際に辞めることができる。彼らは、知識という生産手段を持っている」(『ネクスト・ソサエティ』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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