企業の新陳代謝が
日本経済の活性化につながる!

瀧本 それで言うと、経済全体が伸びることと、既存の大企業が生き残ることは別の話なんですよね。先日、経産省の外郭団体のシンポジウムのようなものがあって、経産官僚の方が外資系企業のトップに「日本企業はこれからどうなると見ているか」と尋ねたんです。

 すると外資系企業のトップは「その質問に対してお答えになっているかどうかわかりませんが、RCAという会社を覚えているでしょうか?DECという会社は?」と。

藤野 RCAはテレビを発明した企業で、アメリカのテレビの半分以上を作ってた会社ですね。DECはミニコンピューターの雄でした。どちらも今はなくなっていますが。

瀧本 そうなんです。それで、その彼は「それらの会社と同様に、今後、日本全体でも会社が入れ替わっていくかもしれません。今ある企業が残ったまま繁栄して成長するという考えではダメなのではないでしょうか」と答えたんです。質問した方はフリーズしていましたね(笑)。

 しかし、そもそも経済成長は個々の企業が努力して「成功する会社もあれば失敗する会社もある」というメカニズムのなかで起こるものであって、政府が特定の産業に助成するターゲティング政策では経済は伸びないんです。

藤野 そうはいっても、高度経済成長期に経済政策を推進した官僚の姿を描く『官僚たちの夏』のような、「ターゲティング政策で日本経済全体を成長させよう」という志向はまだまだ強いですよね。

瀧本 この点、面白いのは米Dellの非公開化です。DellはPCから非PC端末への乗り換えが遅れて業績が悪化しましたが、創業者らが公開済みの株式を取得して非公開化し、大きな変化を起こそうとしています。

 でも、これが日本なら「ヒューレット・パッカードとくっつけて何とかしよう」とか「中国のレノボに助けてもらおう」といった救済劇が起きて、最後は国が出てきて指導するという形になるのではないでしょうか。

 しかし、このような手法では大企業は救われないでしょう。私は、企業でもっとリーダーシップが発揮されることや、企業の新陳代謝が進むことのほうが望ましいと思います。          

(次回は3月18日更新予定です。)

取材・文/千葉はるか


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