本場・プロバンスを訪れたら
一度は食べてみたいブイヤベース

憧れの南仏プロヴァンス。港町、寺院、食事…<br />ガイドブックがあまり伝えない、あんな事こんな事ブイヤベースの前菜、トーストしたパンを添えたスープ憧れの南仏プロヴァンス。港町、寺院、食事…<br />ガイドブックがあまり伝えない、あんな事こんな事ブイヤベースのメインのお皿

「ブイヤベース(Bouillabaisse)」は、おそらく誰もが知っているプロヴァンス料理のひとつでしょう。私の母も、「ブイヤベースは、絶対外せないわ~」と言っていました。

 それなのに、フランス人は「ブイヤベース? あんな不味くて高価なものは、観光客しか食べないよ!」なんて言います。ブイヤベースは、「魚のスープ(Soupe de poisson)」の出汁を取るためだけに、ふんだんに魚介を入れて作ります。ですから、一番美味しいのが、最初に出てくる魚のスープ、次に出てくるメインのお皿は、出汁を取った後の“干からびてパサパサした魚たち”になります。そして、多くの日本人観光客も、「え? これが憧れていたブイヤベース? 魚のスープだけでよかったかも…」という後悔を頭によぎらせます。結果、一度経験すると、「ブイヤベース? 高いだけ。美味しくないわよ!魚のスープが一番!」と触れ回ったりもします(実際、母がそうでした)。ただ、お土産話になりますから、一度は食べてみたいですね。

 ちなみに、魚のスープは、付け合わせのトーストしたパンに「ルイユ(Rouille)」と呼ばれる“すりおろしたニンニクと唐辛子とマヨネーズのソース”を塗って、その上にパルメザンチーズを乗せて、液面に浮かべます。それを崩しながら、食べていくとなんとも言えない美味しい魚のうまみが口一杯に広がります。今でも、想像しただけでお腹が鳴ります。