橘玲の日々刻々 2013年3月13日

橘玲×藤沢数希 特別対談
「金融幻想の終わり」を語る(4)
日本の国債暴落と中国の不動産バブルの崩壊

『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』などで、個人の資産運用に革命的な示唆を与えプライベートバンクの実情にも詳しい、作家・橘玲氏と『外資系金融の終わり』がベストセラーになっている、藤沢数希氏との初めての対談が実現。金融業界の裏側をセキララに語り合った内容を4回にわたって掲載する。外資系金融と日本の銀用業界実情を語った第1回第2回、外資系金融の待遇についての3回目に続き、今回は、日本の国債の暴落について。

 

[参考記事]
●「金融幻想の終わり」を語る!(1)それでも外資系金融は終わらない!?
●「金融幻想の終わり」を語る!(2)日本の金融ビジネスの現場
●「金融幻想の終わり」を語る!(3)40代半ばでリタイヤは当たり前の外資系金融

 

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橘玲(以下、) 日本国債のバブルは、あとどれくらい続くと見ていらっしゃいますか?

藤沢数希(以下、藤沢) 全然わかりません。崩壊しにくい構造にはなっていると思います。みんな将来が不安でせっせと預金をするのだけど、銀行は貸出先がないので国債を買うしかなく、銀行が国債ばかり買うのでお金が回らずに不景気が続いて、ますます不安になるから銀行に預金が集まるという…。

 でも、いつか終わるわけですよね。永遠に続くバブルはない。

藤沢 永遠に続かないことはわかっているけど、いつ終わるかはわからない。終わるタイミングを狙っている人はいっぱいいますけど、今のところそういう人はみんなやられています。

 結果的に終わるに終われない。どうやって儲けましょうか?

藤沢 日本国債が暴落するということは日本円が暴落するということですから、普通に外貨建ての資産を買っておけばいいんじゃないですかね。財政破綻するとしても、その仕方によりますけど。国債が暴落して銀行が経営危機に陥って、国債の会計基準が変わって、公的資金が注入されて…っていう程度で落ち着いてくれたらいいですけどね。

 もっと最悪の事態になったら、外貨建て資産を持っていても口座を凍結されてしまうと考える人もいるようですね。

藤沢 そうなったら海外に移住するしかないです。でも、いま60-70歳の人が国債暴落に備えて海外に住むことがいいことかと言えば、たぶんいいことではないんですよ。だからもう防ぎようがない。逆に、海外に住んでもいいという若い人は、守るべき資産なんてないわけで、預金封鎖されても構わない(笑)。だからどっしり構えていたらいいと思います。

 若い人は「どうせなら早く破綻してくれたほうがいい」と思っているかもしれない。老人たちの社会保障費の負担とかを考えたら…。

藤沢 もし財政破綻が貨幣的な現象だけで済むのなら、インフレになって、いま老人が抱えている預金を目減りさせて、そのぶん若者が将来返済させられるはずだった借金を軽減させるというシナリオでしょう。リフレ派の人たちが唱えているのは、そういうことですよね。金融システムが破壊されちゃって、貨幣的な現象だけでは済まなくなっちゃう可能性もあるわけだけど。

 安倍さんはあそこまで言い切っている以上、インフレ政策をやるんじゃないですかね。選挙前に「やる」と言ったことを実行できないとどうなるか、民主党の例で目の当たりにしたわけだから。

編集部注:この対談は、2012年12月12日に行われました。

 

藤沢 どうですかね。僕は結局そこまでドラスティックなことは起こらないと思いますけど。自民党の公約もよく読んだらマイルドなことしか書いてなかったし、いざやろうとすれば識者や官僚も反対して、結局うやむやになっちゃうのでは。

 抱えている借金のサイズが莫大なだけに、誰にも予想がつかないところではあります。

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 <執筆・ 橘 玲(たちばな あきら)>

 作家。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編』『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 至高の銀行・証券編』(以上ダイヤモンド社)などがある。ザイ・オンラインとの共同サイト『橘玲の海外投資の歩き方』にて、お金、投資についての考え方を連載中。

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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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