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厳しい環境下にはACEVで
業績下ブレのリスクを排除する

2008年10月1日
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 環境が厳しいときこそ、長期投資の観点で割安銘柄をジックリ仕込みたい。当然、銘柄選別は慎重にする必要がある。

 たとえば「PERが10倍割れまで下がった」という理由では割安株とはいえない。内外景気が厳しいなか、10月から始まる中間決算で業績が下方修正される可能性がある。

 PERは「株価÷1株当たりの利益」だが、分母の1株当たりの利益の予想が下がれば、割安でなくなるかもしれない。中間決算をうまく越えても第3四半期決算発表があり、下方修正される機会は相次ぐ。割安株で、将来的にも業績が下ブレしないことを事前に予想するのは難しい。

 そこで今回紹介する指標がジャヤラマンのACEV(エーシーイーブイ:Accrual Component of Earnings Volatility)だ。ACEVは過去5年間の企業の利益の変動と、キャッシュフロー(CF)の変動の差である。この差が小さい企業は業績の信頼性が高いと見るのだ。

 そもそも利益の変動が小さい企業は利益の予想が行ないやすいという考えは従来、投資の世界でも使われていた。1株当たり利益のブレも小さくなるのでPERの確信度合いも高くなる。

 ところが足元では、米サブプライム問題の波及から資本市場で流動性が収縮しており、資金繰りの悪化で利益が黒字でも破綻する企業もある。そうなると利益の変動ではなく、実際に企業が営業活動で獲得したおカネ、つまりCFに注目する必要がある。

 いくら利益を出していても、売り上げたぶんのおカネが回収できないとCFは少なくなり、利益の変動が小さくてもCFの変動が大きければ業績が不安定なため、その予測の信頼性も下がるからだ。

 ACEVは、これまでの考えからさらに発展して、利益やCFの変動を互いに比べ、いずれかが大き過ぎる企業を危険と見る。たとえばCFの変動が利益の変動と比べて大き過ぎる企業は、おカネの回収が安定しないため、利益も不透明である。

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