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3月11日 18時0分
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日本株への追い風〜減速しない米経済〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

先週末発表された2月米雇用統計は前月から+23.9万人と事前予想を上回る伸びとなり、米国市場で株高・金利上昇・ドル高(円安)が進んだ。米経済については、1月からの給与税増税で消費を中心に減速するリスクがあった。しかし、2月までの雇用統計の大幅な伸びは、2012年秋口から世界経済全体を引っ張る米経済が、減速せずに順調に回復していることを示している。

そして、株高が続く米国市場で注目したいのは、米10年金利が2%を超える水準まで再び上昇していることである(グラフ参照)。ダウ平均株価が高値更新を続ける中で、増税や歳出削減で、米経済の順調な回復は続かないとの思惑が残っていた。このため、米債券市場では、2013年になってから、長期金利が2%付近へ上昇すると、「割安感」を理由に長期国債への買いを積極化させる投資家が多かった。


ただ、先週末に判明したような米経済のしっかりとした回復を前提にすると、米FRBの政策変更はまだまだ先にしても、将来の高成長やインフレ圧力の高まりを織り込み、歴史的に低い水準にある長期金利に上昇圧力がかかってくる。今後、債券市場では、これまでのような長期国債への買い圧力が和らぎ、長期国債価格低下(金利上昇)のリスクに備えるポジション構築が広がるだろう。

安全資産である国債への買いが衰えれば、金融市場全体では、株式などのリスク資産に対する「資金流入のパイプ」が一段と広がる。ダウ平均株価は最高値を更新し続けているが、米国だけではなく遅れている国の株式市場にも、投資資金への流入が続く環境にあるということだ。

3月8日レポートでは、2009年以降の米国と日本の株式市場の推移を比較した。アベノミクス発動への期待で上昇が続く日本株にも、米国を中心とした世界経済の復調を背景とした、リスク資産へのマネー流入という追い風が吹いているわけだ。

先週末このように株式市場が盛り上がる中で、神戸において弊社による全国投資セミナーが行われたが、この時会場の方から以下のようなご質問を頂戴した。「2013年の株価の上値が、13,000-15,000円と一段と上昇(パネリスト4名の日本株の見通し)ということだが、来年以降日本株はどこまで上昇するのか」

この質問に対して、筆者は以下のように答えた。「アベノミクスが成功して、早期にデフレから脱して、日本が通常の国のようなインフレ経済になれば、高値更新している米国のように株式市場の上昇が続きうる」

もちろんあと1、2年で、例えば、リーマンショック前の日経平均18,000円前後まで上昇するハードルは相応に高いが、先のレポートでも述べたが、脱デフレが起きれば株価の水準が大きく変わることは確かである。重要なことはそれを念頭において、日本株は長期的に上がらないというこれまでの相場観を大きく変えることである。

この理由はシンプルだ。デフレから脱して、米欧のように名目GDP が増え続ける国では、企業利益や給料も増え続ける(グラフ参照)。そして、市場が企業利益の拡大を想定するならば、株式市場も上昇し続ける可能性がある。これまで、日本経済はデフレが続き、いくら経済成長しようとも、名目ベースの経済規模は拡大せず、むしろ縮小していた。しかし、この異常な経済環境は、デフレから脱し、インフレになれば一変するのである。


アベノミクス相場が、多くの市場参加者の想定を上回るインパクトを持っているのは、目敏い投資家が、今後日本経済の姿がこれまでと大きく変わると、想定し始めているからなのである。もちろん、脱デフレを実現し、インフレへ転換することは至極当たり前のことなのだが、これまでのレポートでも紹介してきたが脱デフレを邪魔する抵抗勢力はしぶとい。その抵抗勢力に打ち勝つには、標準的な経済理論に基づく金融政策、そしてそれを支持する投資家をはじめとした国民の支持が必要である。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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