ユニハイトシステム社長 平嶋龍介(撮影:相川大助)

「エックス線源をペン型にして動かせばいいんじゃないのか」──。ユニハイトシステム社長の平嶋龍介の頭にこんな考えがひらめいたのは、自宅で晩酌中のことだった。酒の肴を箸でつまもうとして、ふと思いつく。10年以上も前のことだ。

 同社はエックス線を当てて、はんだの接合不良を見つける非破壊検査装置製造などを手がける。電子部品が小型化、高密度化するなかで、検査の精度は製品の出来にそのまま直結する。高品質を誇る日本の製造業の根幹を支える技術がここに凝縮されているといってもいい。

 最終的にはペン型にこそならなかったが、エックス線を斜めから当てることを思いつく。サンプルをかなり近づけることができるため、これまで見えなかった接合部の死角が解消されるだけでなく、拡大も可能になった。検査部位を中心に360度ぐるりと回す「ユーセントリック機能」も世界で初めて開発、業界を驚かす製品を生み出した。

 医療技術がベースになっているため患者の安全が第一とされるエックス線検査では、対象物を動かすのが当たり前だった。エックス線自体もまっすぐ当てるものとされてきた。その意味で常識破りの発明だった。

 その後、画像の解像度を上げた三次元斜めCTシステムの開発にも成功、パナソニックやソニー、トヨタ自動車など名だたるグローバル企業に納入するなど、ミクロならぬナノの目で高精度に解析できる技術力の高さは一目置かれている。