かつてと比べて女性のライフコースの選択肢は多様化している。各ライフコースの特徴を分析したうえで、「経済資源」、「時間資源」、「家族資源」という3つの資源の組み合わせから、女性市場攻略のヒントを考えてみよう。

ライフコース別に見た
規模と成長性

 学歴や職業をはじめ、結婚のタイミングや出産の有無という女性のライフコースの選択肢は、かつてと比べると多様化している。

 図表1は、女性の代表的なセグメントについて、2010年の人口をベースに、2010年から2015年にかけての成長性(=人口増減)をみたものである。なお、このデータは、国勢調査や就業構造調査などの公的統計に加え、三菱総合研究所の「生活者市場予測システム(mif)」を用いて推計している。

 人口規模で最も大きいのが、結婚や出産で退職したものの子育てが一段落し、再び働き出す「リターナー(復職)」層である。次いで、20~30代のワーキングシングル、夫婦と子どもからなる専業主婦となっている。

 成長性という点では、40~50代のワーキングシングルが増加する。特に、団塊ジュニアの加齢によって、今後は40代のワーキングシングルが一層拡大する。また、団塊世代がリタイアすることで、夫婦とも引退生活に入ったプラチナ夫婦、さらに、プラチナシングルが増えることが予想される。

 他方、減少するのは、20~30代のワーキングシングルと専業主婦。前者は少子化の影響、後者は夫婦共働きが増加する影響で、減少することが見込まれる。