リコールが一度もない高い信頼性

 同社のAED製品は、韓国・江原道原州市のメディカル工業団地にある自社工場で一貫製造されている。

「当社の工場は、他の電化製品を取り扱うことなく、AEDと心電計だけを製造しており、その専門的な体制も信頼性を高めることにつながっています。現在、世界100ヵ国で販売され、欧州では30%以上のシェアを占め、これまで製品のリコールは一度もありません。命に関わる高度管理医療機器だけに、品質管理には全力で取り組んでいます」(朴社長)

 米国製のAEDが多い中でのアジア発祥のAED技術。欧州をはじめ、アジア、北・南米、中東、アフリカ、オセアニアなど、世界中で高いシェアを獲得している背景には、近年のサムスン、LGなど韓国製電化製品への信頼の高さも関係しているという。

 同社では、一般人用に加えて、病院や応急救助用、医療クリニック用、教育用など、各分野で使われる多彩なAEDをラインナップしているが、主力になるのはやはりPAD(Public Access Defibrillation)、つまり一般市民が使うAEDだという。日本国内の普及状況を見ても、AEDの販売累計のうちPADが78%(2011年度厚生労働科学研究より)を占めている。現在同社のAED製品は、東京消防庁や区役所、裁判所といった公的機関をはじめ、学校や幼稚園、民間企業などさまざまな場所で導入されている。

「AEDの設置の理想は、100~150メートルに1台、ビルなどでは各フロアに最低1台確保されることだといわれています。日本での設置台数は増えたとはいえ、まだそこまでには至っていません。さらには、街中を走るタクシーやバスなど、さまざまな設置箇所が考えられます。当社ではそうした“隠れたPAD市場”を積極的に掘り起こしながら、日本での導入台数をさらに増やしていきたいと考えています」(朴社長)

心肺蘇生コーチング機能が充実簡単に操作ができる
「アイパッドNF1200」

 まず、電源を入れる。すると「機器のカバーを開けてください」「今すぐ119番通報し、救急車を呼んでください」「すみやかに上半身の衣服をすべて取り除いてください」「必要に応じて衣服を引き裂いてください」と一連の音声ガイダンスが流れる。AEDを使用するのは非常時だ。落ち着いているつもりでも当たり前のことに気が付かないこともあるだろう。「アイパッドNF1200」では、傷病者を前にした一般の人が困惑し慌てなくてもいいように、何をすべきかを丁寧な音声ガイダンスが指示してくれる。

 また電極パッドそのものに、それぞれ貼り付ける位置の図が描かれているので、指示の通りにパッドを傷病者の胸に貼り付ければいい。その後は機器が自動的に分析を行い、ショックの処置が必要な場合は、「電気ショックが必要です」「警告、誰も体に触れないでください」という音声ガイダンスが流れるので、手順に従って点滅しているオレンジボタンを押す。音声ガイダンスとともに、要所要所ではブザーによっても行為が確認、促される。しかも、本体にあるリファレンスガイドランプが、AEDによる救助手順全体の中で、現在どの段階にあるかを示してくれるため、先が見えない不安もない。初めての人でも気負うことなく使用できるはずだ。

 同機器は、1日1回必ず本体・バッテリーを含めたセルフテストを行っており、その結果はフタを開けずに確認できるインジケーターに表示。緑点滅ならOK、赤点滅なら何らかの異常が検知されている状況なので、すぐにメンテナンスの連絡をすればいい。遠目からでも見やすく、暗所でも目立つのが特徴だ。